Exp. 385 Guaymas Basin Tectonics and Biosphere

航海概要

航海概要

テーマ

Guaymas Basin Tectonics and Biosphere

 

JRSOのページ>>こちら

航海予定期間

2019年9月16日~11月16日(予定)

掘削船

JOIDES Resolution

乗船/下船地

San Diego to San Diego, California

掘削地点

カリフォルニア湾グアイマス海盆

科学目的

IODP Expedition 385 will core and log a series of sites in the Guaymas Basin to investigate the relationship of tectonics, magmatism, sedimentation, carbon cycling, and microbial activity. The Guaymas Basin in the Gulf of California is a young, marginal rift basin characterized by active seafloor spreading and rapid deposition of organic-rich sediments from highly productive overlying waters. The active formation of oceanic crust combined with a thick sedimentary overburden has given rise to a dynamic environment, where strongly connected physical, chemical, and biological processes govern the cycling of sedimentary carbon. Its fate upon deposition depends on the relative efficiencies of interrelating microbial and chemical processes, leading either to sequestration or release of carbon. Expedition 385 aims to illuminate the interaction between these processes and its ultimate consequences for carbon cycling, which will help understand similar settings in marginal seas throughout the world.

Drilling toward and through seismically imaged sills of varying age and temperature into the intercalated sill-sediment package will provide core and log data to constrain the links between sediment accumulation, sill emplacement, sediment alteration, fluid expulsion, as well as microbial utilization and sequestration of carbon along subseafloor fluid pathways. The primary objectives are to
(1) Explore the physical and chemical gradients along active and extinct fluid pathways associated with sill emplacement;
(2) Investigate subsurface microbial communities that are sustained by alteration products, in order to determine how efficiently they capture carbon-bearing alteration products; and
(3) Advance our understanding of the conditions that limit life in the deep biosphere.

Coring sill-sediment successions will provide an integrated record of igneous accretion as well as baseline data of carbon flux, including unaltered subsurface sediments and those that have experienced multiple generations of sill intrusion at depth. Petrophysical data (e.g., porosity/permeability) will also constrain crustal fluid flow and heat exchange that exert fundamental controls on this system. All findings will deepen our understanding of mechanisms of carbon remobilization implicated in global-scale rapid climate change.

詳細についてはJRSOのページをご参照ください。

 

共同首席研究者

Andreas Teske and Daniel Lizarralde

J-DESCからの乗船研究者
氏名 所属 役職 乗船中の役割
諸野 祐樹 海洋研究開発機構 グループリーダー代理 Microbiologist
山中 寿朗 東京海洋大学 教授 Inorganic Geochemist
Myriam Annie Claire Kars 高知大学 助教 Paleomagnetist

乗船に関わるサポート情報

乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。

  1. プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
  2. 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
  3. アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
  4. 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費

乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら

募集情報

募集情報

募集分野

制限なし
追加募集分野:Paleontologists

応募方法

応募>>こちら 締め切りました
応募用紙の記入方法>>こちら

募集〆切

2018年4月15日(日)
2018年5月31日(木) ※延長しました
2018年9月25日(火) ※追加募集の〆切

 

注意事項

応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。

船上レポート

最終更新日:2019年10月25日
※日付は日本時間

レポートインデックス

レポート1(2019年9月30日受領)>>ワイマス海盆(Guaymas Basin)は憧れの地でした

レポート2(2019年10月15日受領)>>JR船上でのアウトリーチ活動について

レポート3(2019年10月24日受領)>>From “Core on deck” to scientific studies

レポート4(2019年10月25日受領)>>ひたすらに絞ります

レポート5(2019年11月10日受領)>>今更ですが

 ワイマス海盆(Guaymas Basin)は憧れの地でした

2019年9月30日
山中 寿朗(東京海洋大学 教員)

年寄りが先陣を切って乗船レポートを書かせて頂きます。IODP(実際にはJ-DESC)とは大変に長いお付き合いなのですが、乗船研究者として実際にIODPのexpeditionに参加するのはこれが初めてです。今回は私にとって思い入れのあるワイマス海盆への掘削航海ということで、頑張って参加にこぎ着けました。

今回乗船するのは「ちきゅう」ではなく、「JOIDES Resolution号」(略してJR号、写真1)です。米国のUSIOが運用する船で科学掘削の長い歴史を持ちます。米国が運用する船ですが、数年先までスケジューリングされた多くのexpeditionをこなすため、まさに世界の海を巡っており、今回の上下船地となったサンディエゴはJR号にとって約20年ぶりの米国本土の港への着岸となったとのことです。

私が参加する航海(IODP Exp.385 ワイマス海盆のテクトニクスと生物圏)は南北に長いカリフォルニア湾の中心付近にあるワイマス海盆を研究対象としていますが、カリフォルニア湾海底には東太平洋海膨の北端にあたる海嶺の拡大軸が存在します。そのため、海洋底拡大に伴うマグマの貫入が盛んに起こるわけですが、湾内ということで堆積物の供給が多く、拡大軸が厚い堆積層で覆われています。そこでは、マグマが堆積層中にシル(sill)として貫入している場所が多くあるのですが、そのシルによって駆動される熱水活動があり、熱水と堆積物の相互作用が活発です。この様な場所で、石油に酷似した炭化水素(熱水性石油)が熱水と堆積有機物の相互作用で生成するのですが、それが世界で初めて発見されたのがこの海域です。私も大学院生だったとき、鹿児島湾で北西太平洋域の海底熱水系では初めての熱水性石油の生成現場を発見しましたので、ワイマス海盆の研究は沢山読ませて頂きました。そういった思い入れのある場所に実際自分が掘削航海に参加できて大変嬉しく思っています。

自分のことばかり書きましたが、9月17日にExp. 385参加者がサンディエゴでJR号に乗船、5日間のport callの後、22日の朝に出航。カリフォルニア半島の太平洋側に沿って南下し湾内に入り27日から掘削が始まり、現在2日目を迎えたところです。乗船してからport callの間は参加者全員でexpeditionの目的や各自の研究内容について話し合い、出港後は各自試料を受け入れるためのラボの準備に忙しく過ごしました。幸い、この間大変天候に恵まれ穏やかな海況の元、掘削を始められています。

最後になりましたが、Exp. 385では日本枠(J-DESCから派遣される乗船研究者枠)から3名が乗船し、JAMSTEC高知コアセンターから諸野さんと高知大学海洋コア総合研究センターからKarsさんが参加しています。この3名で、順次expeditionの様子をお知らせしていきます。さらに航海の様子は随時IODPのホームページ [事務局注:Photo Gallery, JR blogなど] でも見ることができますのでお楽しみ頂ければと思います。

写真1 サンディエゴの岸壁にまさに着岸したJR号

JR船上でのアウトリーチ活動について

2019年10月15日
諸野 祐樹(海洋研究開発機構)

海洋研究開発機構の諸野です。海底下の微生物の研究をしています。Expedition 357アトランティスマッシフ掘削航海に乗船し、乗船ブログを書いて以来3年ぶりの登場です、よろしくお願いします。

さて、ブログ第二弾です。山中さんが書いてくださってからずいぶん時間が経ってしまいました。前回のブログで掘削が始まったばかりだったサイトでの掘削作業は終了し、2キロメートルほど離れた二番目の掘削サイトでの掘削が進行中です。今回の掘削サイトでは、海底下の地層に染み出してきたマグマ(シル)を貫いてその下の地層まで掘削する予定です。海底下に染み出してきたマグマやその下の地層がどうなっているのか、地質学者をはじめ僕ら微生物学者も実際の試料が上がってくるのを心待ちにしています。

今回の掘削航海はアメリカの掘削船、ジョイデスレゾレリューション(JR)号で実施されるというのは前回のブログでも紹介されましたが、船上でのアウトリーチ(一般の方々への広報)活動がとても盛んです。今回はそれについて紹介したいと思います。

船上には、アウトリーチ専門のスタッフとしてロドリゴさんが乗船しています。JRでは衛星回線を通じてインターネットに接続しています(ですが、陸上のような高速回線ではなく、限られたパソコンでのみ接続が許可されているので、乗船者は自分のパソコンからインターネットにつなぐことが出来ないのです。ここしばらくの間で日本のニュースが全く分からなくなりました・・・)。この衛星インターネットを通じ、ZOOMというツールを使って陸上とライブ接続を行います。接続先は様々ですが、小学校だったり、中学校だったり、博物館だったり、世界中の色んなところから接続の申し込みがあり、平日はほぼ毎日接続の予約が入っています。それだけではなく、SNSなどのツールも使って航海の模様を配信しているので、ロドリゴさんは毎日大忙しです。これまでに、既に15回の接続を行ったそうです。日本との接続も予定されています。接続の詳細や予約については下記のサイトから(英語ですが)見ることが出来ます。ご興味のある学校関係者の方々、予約してみてはいかがでしょうか?日本人二人も乗船していますので、解説は日本語でも可能ですよ!!

https://joidesresolution.org/live-video-events-with-the-joides-resolution/

https://joidesresolution.org/wp-content/uploads/2017/09/LiveVideoBroadcast-Instructions.pdf

https://calendar.google.com/calendar/embed?src=thejoidesresolution@gmail.com&ctz=America/San_Franciso

さて、昼ごはんの時間です。中国人のグアンシャオさんが「ユウキ、はやく!行くよ!」と急かすので、食事に行ってきたいと思います。では!

写真1 アウトリーチ担当のロドリゴさん。手にしたipadで世界中の人たちと接続して生の掘削現場を科学者と一緒にレポートしています。

From “Core on deck” to scientific studies

2019年10月24日
Myriam Annie Claire Kars(高知大学 教員)

“ Core on deck, core on deck”: this paging announcement is heard dozens of times during an expedition, hundreds of times during a high recovery rate expedition such as our expedition in the Guaymas Basin in the Gulf of California. As of today, ~420 announcements have been made. Every time a core arrives on the rig floor, the driller in charge makes this announcement for IODP staff to get ready to receive a 10-m long core liner on the catwalk. This is the moment when the core curation process onboard begins. On the catwalk, IODP staff has a very important task: gathering all the pieces together and cutting a long core into 1.5-m long sections for scientific studies, while the ~50 cm long core catcher is treated separately. It is not as easy as it seems: a core liner could be filled up with mudline and seawater, sediments could be soupy, gas expansion occurs, sandy layers and gravels are present, hard rocks (igneous rocks) are fragmented. Other activities take place on the catwalk: micropaleontologists get their sample from the core catcher to find fossils, geochemists take samples for safety gas measurements and microbiologists collect samples for their studies. After all sampling on the catwalk is done, the staff finishes the preparation of 1.5 m long whole-round sections which will be split later into two halves: one half for the archive and a working half for sampling. Then the core flow starts in the core lab with scientists analyzing the sections and technicians supporting them in their measurements.

Without the very first step of core recovery by drillers and core curation by technicians, lab officers and curators, scientists would not be able to get samples. Thank you guys for making our studies possible !

photo 1: Susan with a core catcher

photo 2: Core on deck

ひたすらに絞ります

2019年10月25日
山中 寿朗(東京海洋大学 教員)

Expeditionもhump day(航海期間の中間点で今回は10月16日)を過ぎ、後半戦に突入しています。この間、4つのサイトで9つのholeの掘削が行われました。

私はこのexpeditionに無機地球化学担当者(inorganic geochemist)として乗船しています。もちろん、有機地球化学担当者もいます。この地球化学分野と微生物分野はコアが船上に揚がってくると直ぐにそこからサンプリングをし、担当の処理をします。無機地球化学では間隙水を絞り、その主要化学組成を分析するのが最大のtaskです。コアをもらい受け、直ぐに実験室に運び、油圧式のsqueezerで絞ります。今回は間隙水のリクエストが多いので、その需要を満たせるか確認のため各サイトで最初のholeから揚がってくる主に地質の記載を行うために採取するコアの一部をもらってどれくらいの水がどれくらいの時間で絞れるか確認をし、次のholeから揚がって来る主に分析用のコアで必要量を絞るという作戦でした。これは裏を返すと全て揚がってくるコアを絞ると言うことです。コアが船上に揚がってくると「core on deck!」と放送がかかるのですが、そのたびにデッキ(掘削船ではcatwalkといいます)に上がってコアをもらい受けて直ぐに絞ります。新しいholeで掘削が始まると最初の24時間くらいは1時間に1個の割合で試料が来て、それを絞りつつ、分析しつつ、リクエストに応じた試料の分注をしつつ、次の試料の受入の準備をしてと大わらわになります。試料を入れるsqueezerの容器(写真1)がチタンとステンレスの塊で結構重い(総重量5kgくらい?)ので重労働です(使ったら洗わないといけませんからね)。肩こりと腰痛に悩まされる日々です。しかし、化学プロファイルが出てくるとその解釈が大変楽しく、次もどんどん絞ろう、なんて思ってしまいます。

国際プロジェクトですから、試料の採集計画やデータの解釈など、海外の研究者と議論しながら進めていきます。これもなかなか楽しい作業です。できればもっと若いうちにこういった経験をしておくべきだったと今更ながらに後悔(航海)しております。参加を考えているあなた!行くなら今でしょう!!

写真1: 泥を入れたチタン製の容器に入れた堆積物から間隙水を絞っている様子。シリンジに間隙水が押し出されています。

写真2:Hump dayにはダンスパーティーもありました。とにかく単調になりがちな長期航海を少しでも楽しもうという工夫ですね。

今更ですが

2019年11月10日
山中 寿朗(東京海洋大学 教員)

Text: 3回目の投稿になります。前回の終わり方のテンションがおかしかったのですが、気になさらないでください。元気に船上生活を楽しんでおります。

さて、今更なのですが初回のタイトルが「ワイマス海盆(Guaymas Basin)は〜」となっていた点で、諸野さんに質問されたので、ここで皆様にもお伝え致したく思います。なぜ、「ワイマス」か問題です。Guaymasの綴りを見ますと、英語に堪能な皆様は、グアイマスじゃないの?と思われる方も多いかも知れません。私もむかしむかし、1990年代中頃に初めてこの海域の論文を読み始めた頃には、これどう読むんだ?と思っていたのですが、あるときどなたかから教えてもらって、以来、ワイマスと呼んでいます。メキシコ領内ですのでスペイン語でこの地名を読むのが正しいと思います。日本人はなるべく現地の人が呼んでいる地名をカタカナに置き換えることを慣例にしておりますので、そうなると、Gは発音せずに、ワイマス、となるようです。スペイン語で良くある男性の名前でJuanとありますが、あれはJを発音しないでファンとかワンとか呼びます。実際、アメリカ西海岸をカナダ国境近くまで北上したところにある海底拡大軸のJuan de Fuca Ridgeは誰しも、ファンデフカ海嶺と呼びます(これは英語圏の人もそう呼びます)。諸野さんから質問されたとき、少し心配になったので、メキシコから参加の研究者、マネットさんに聞いたところ、現地で「ワイマス」と発音することも確認できました。で、今回の航海でもう一つ楽しみだったのが、船内では皆さんどっちで発音するんだろうということでした。結果的にどうも半々みたいです。英語圏の方はグアイマスとどうしても発音してしまうように見えます。ちょっとネットで調べると、メキシコ観光局公式のホームページもグアイマスだったので驚きましたが… すみません、うんちくでした。

航海もいよいよ大詰めを迎え、掘削も残すところ一日となりました。研究のことはともかく(それに興味のある方は、是非、航海後一定期間経つとPreliminary Reportが公表されますのでご覧ください)、2ヶ月の船内生活(しかも外国の船)というものが全然想像できませんでしたが、あっという間とはいいませんが、無理なく過ごすことができました。私としては食事も問題ありませんでした(美味しいので食べ過ぎないようにするのが大変でした)し、12時間シフト制は確かにブラック企業っぽいですが、残業があるわけではないし、部屋に戻るとルームメートは反対のシフトなので個室同様に利用できてプライベート空間も保たれていますし、基本的にほとんど船は揺れませんし(これは海域にもよるかも知れませんが)。これまでの最長がJAMSTECの「かいれい」に45日でしたから、大幅に記録更新となりました。

とにかく、IODP航海に参加してみて感じたことは、「ビッグなサイエンスをするためにはお金は惜しまないぜ!」という雰囲気です。とにかくめっちゃクチャお金がかかっているのが実感できます。確かにこれくらいお金をかけて海底下何百メートルも掘って試料を取れば、想像もしなかったような大きなサイエンスができることを実感しました。油代が…とか言っている我が国の船が少しごにょごにょ…(自主規制)

下船したら一番に何がしたいかなとか、何が食べたいかなとか考えたりしますが、船内はシャワーだけですのでゆっくりと湯船に浸かりたいのと、新鮮な野菜に4週間ほどお目にかかっていないのでパリッとしたレタスなんかのサラダを食べたいですね。2ヶ月の航海ですとその程度のささやかなことで満足できそうです。

航海中にワイマスの街に少し近づきましたので、その際に撮影した海岸の様子。風光明媚で観光地として有名みたいです。

フレッシュな野菜や果物も一月以上は食卓に出ておりました。色々工夫しているんでしょうねぇ。

お問い合わせ

J-DESCサポートオフィス
海洋研究開発機構内

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