Expedition 317 Canterbury Basin Sea Level
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- 追加募集1(募集終了)
- その他
テーマ
縁辺海域の地層形成における汎世界的海水準変動と地域的構造運動の役割の解明
Scientific Prospectus>>こちら
航海期間
2009年11月4日〜2010年1月4日(予定)
掘削船
JOIDES Resolution (USIO)
乗船研究者
日本から参加する乗船研究者
保柳康一
|
(信州大学) | Co-chief Scientist |
浦本豪一郎 |
(千葉大学) | Sedimentologist |
大井剛志 |
(熊本大学) | Micropaleontologist (benthic foraminifera) |
河潟俊吾 |
(横浜国立大学) | Micropaleontologist (planktonic foraminifera) |
須藤 斎 |
(名古屋大学) | Paleontologist (Diatom) |
田辺 晋 |
(産業技術総合研究所) | Sedimentologist |
村越直美 |
(信州大学) | Sedimentologist |
| 吉村寿紘 | (東京大学) | Inorganic Geochemist |
他国から参加する乗船研究者
Craig S. Fulthorpe(Co-chief Scientist), Cecilia McHugh, Peter Haughton, Kathie Marsaglia, John Jaeger, Fabien Paquet, Beth Christensen, Michael Urbat, Robert Carter, Jens Gruetzner, Michelle Kominz, Karine Alain, Young-Gyun Kim, Julius Lipp, Raphael Wust, Alice Chang, Giuseppe Cortese, Stacie Blair, Laura Pea, Olga Brusova
掘削エリア
掘削エリア (C) USIO-IODP |
航海概要
ニュージーランド南島の東側の陸棚と陸棚斜面上を掘削するIODP Expedition 317は,陸域縁辺の地層のサイクル(堆積シーケンス)形成における汎世界的海水準変動と地域的な構造運動との役割を理解するために計画されものです.この陸棚下のカンタベリー堆積盆地に堆積している漸新世から現世(2600万年前から現在)までの堆積物に焦点をあて,この地域の早い堆積速度によって保存されていると考えられる50万年から100万年周期の堆積シーケンスを解析することがこの計画の主要な目的です.掘削地点の水深は,陸棚上で85mから121m,陸棚斜面上で346mと大変浅い海域での掘削になります.このような浅海域での陸源堆積物の掘削は,ニュージャージー沖陸棚でのODP174A次航海の経験が物語るように,未固結砂が回収しづらいことから大変困難です.しかし,今回の掘削地点は,地震波断面からより細粒な岩相が予想されており,ODP174次航海では十分な成功を収められなかった陸棚上での堆積サイクルを持った地層の回収が期待できます.
水深200m以下の陸棚は,現在の高海水準期には泥質堆積物で覆われていますが,海水準低下と共に砂質堆積物に代わり,そして場合によっては海岸線が陸棚斜面近くまで前進することによって,陸上で侵食を受けます.ジョイデスレゾリューソン号による今回の航海では,第1に陸棚および陸棚斜面の過去1000万年の連続的な地層記録を得て,地震波断面によって予想されている海進・海退の様式変化を直接読み解くことを目的としています.さらに,汎世界的海水準変動と横ずれプレート境界であるアルパイン断層の活動によるニュージーランド南島の隆起過程変遷の解明を目指しています.
なお,天候条件などにより陸棚上の掘削が不可能な場合は,陸棚斜面下に形成されているドリフト堆積物を掘削することにより,その形成史と古海洋変化との関連についての副研究テーマを追求する可能性もあります.
IODP第317次掘削航海 船上レポート
更新: 2010年1月4日
※日付は日本時間
■Exp.317 船上レポートインデックス
船上レポート29>>Episode29:作業終了!&ウェリントン着!!New!
船上レポート28>>Episode28:危険を回避する方法 −最後に伝えたい言葉がある−New!
船上レポート27>>Episode27:あけましたNew!
船上レポート26>>Episode26:緊急速報!その2 クリスマスプレゼントは…?
船上レポート25>>Episode25:縁の下の力持ち その6 −最前線で科学を支えるテクニカルスタッフ−
船上レポート24>>Episode24:クリスマスレポート2
船上レポート23>>Episode23:陸棚斜面掘削地点で掘削深度記録達成
船上レポート22>>Episode22:分析のオートメーション化
船上レポート21>>Episode21:Tシャツデザインコンテスト開催中!
船上レポート20>>Episode20:一ヶ月ぶりに陸地
船上レポート19>>Episode19:縁の下の力持ち その5 −海の上の先生−
船上レポート18>>Episode18:決戦はクリスマス
船上レポート17>>Episode17:サンプリングを楽しもう!
船上レポート16>>Episode16:縁の下の力持ち その4 −洋服要らずの船上生活−
船上レポート15>>Episode15:世界が注目のIODP
船上レポート14>>Episode14:いつの間にか(?),Site2 掘削開始
船上レポート13>>Episode13:避難訓練,さぁ,逃げ出そう!
船上レポート12>>Episode12:Happy birthday と言われたら...
船上レポート11>>Episode11:緊急速報!
船上レポート10>>Episode10:縁の下の力持ち その3 −Thanks Giving Day−
船上レポート9 >>Episode9:縁の下の力持ち その2 −ドリルデッキにて−
船上レポート8 >>Episode8:煮えた砂岩
船上レポート番外編>>船内では物は大切に
船上レポート7 >>Episode7:研究者の気分転換とは
船上レポート6 >>Episode6:縁の下の力持ち
船上レポート5 >>Episode5:二度目の出航,そして本番です!
船上レポート4 >>Episode4:研究航海終了で下船!!?
船上レポート3 >>Episode3:シップツアー 〜Exp.317編〜
船上レポート2 >>Episode2:コック vs 研究者 海上の壮絶なる闘い
船上レポート1 >>Episode1:窓をあける
■USIO Daily & Weekly Science Report (英語)>>こちら
船上レポート29 1月3日
Episode29:作業終了!&ウェリントン着!!
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
今日,ウェリントン港に到着しました(写真1).予定では航海の終了は四日となっているので,一日早いですが,港の都合で,今日,入港する必要があったために,一日早くウェリントンに着くこととなりました.
航海最終盤,年が明けてからは本当に怒涛の勢いで全てのプロセスが展開したように思います.1日の21時頃に最後のコアが上がり(写真2),昨日の4時半過ぎに最後のコアの記載が完了(写真3),今日の昼シフトでSite reportの仕上げ,という急展開ぶりでしたが,明日のミーティングを残して,仕事も終わりました.先ほどまではたくさんの研究者のみなさんがいたラボの中も,誰もいなくなって静かです(写真4).今回の航海の場合,最初のトランジットの期間が長いため準備は十分にできるけど,最後のトランジットが一日しかないので,最後は忙しくなると,最初に言われていましたが,最後の展開が予想以上に急だったため,「終わった」という実感があまりないのですが,2ヶ月に及んだ“旅”も終わりに近づいているので,今日は航海を振り返るようなレポートを書こうと思います.
まず,改めて思うのは,船上での研究生活の特殊性です.様々な国から約30人の研究者が集められ,船上で(ある意味,船上に閉じ込められて),ひたすらデータを出し続け,議論しあう.このような研究環境は他にないでしょう.時々,こうした研究航海というものを最初に考えた人が何を思ったのか,聞いてみたくて仕方なくなります.それはともかく,非常に濃厚な研究生活を営めますので,それだけでも大きな経験ができたように思います.
また,船の上では,本当の意味での研究のプロセスを経験できた気がします.私自身は,英語でのコミュニケーションに自信がなかったので,最初から口頭で議論するよりも,例えばSite reportなどの原稿ができて,それをチェックするときに紙に書いて,そこから議論が始まるということが多かったです.その時に,どんなに小さなことでも,自分が理解できないところ,自分は違う意見を持っているところ,自分が納得できないところを書くと,そこは納得するまで議論するという雰囲気が船上にはありました.普段の博士研究では,自分なりに研究のプロセスを考えるため,議論をしても,自分なりに納得することが全てになってしまいがちですが,船の上では小さなことでも全体で意見を共有しますし,それが本当の意味での研究のあり方と思うので,研究の原点に立ち返るというか,そういった経験ができたことは良かったと思います.
そして,一堆積学者としても,航海では面白い経験ができたと思います.堆積学者は,海底から上がってきた,世界で誰も見たことのない堆積物を最初に見ることができるので,それだけでも興奮ものですが,そうした堆積物には様々な堆積構造,色調,粒度の特徴が認められます.そうした特徴は,時には数百メートル続くこともありますし,わずか数センチで急激に変化することもあります.こうした堆積物の変化は,従来の研究から,主に新生代における汎世界的な氷河性海水準変動とテクトニクスに伴う相対的な海水準変動と,そして,それらに上乗せするような形で海流や底層流システムの変化,さらには陸上から洪水によって砕屑物が運搬されるシステムの変化を表していると考えられますが,そうした複雑に絡み合った堆積物形成プロセスの変化を考えることは面白いものです.もちろん,船上で考えたことは,あくまでもpreliminaryなデータに基づくもので,今後のポストクルーズの研究で検証していかなければいけないことは多いですが,自分がこれまでに研究で扱ったことのないタイプの堆積物を見ることができたのは,自分の研究を発展させる上でも,研究の幅を広げる上でも,大きな収穫となったと思います.
それから食事に関して.私自身は,朝から毎食ガッツリ食事を取るタイプの人間で,食事のときに昼シフトの須藤さんと顔を合わせる機会があると「アメリカ人」と言われ,コックの人やアメリカ人の研究者からは「You have too much」とあきれられるくらい食べていましたが,それほど体が横方向に大きくなるというか,体重が増えるということはなかったです.だからといって船内のジムに通うといったこともしていません.あくまでも自然に,自分が満足する程度に食べていただけで,無理していたわけでもありません.何といっても,船の上ではお酒が飲めないので,毎日の生活の中での大きな楽しみは食事が一番ですから,食事は自分なりに楽しむことが大事だと思います.
最後に,航海でお世話になった研究者,テクニシャン,クルー,ケータリングスタッフ,そしてIODP関係者の皆様には心から感謝の意を表したいと思います.どうもありがとうございました!
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 ウェリントン港に着岸したJR号. |
写真2 夕日を浴びたキャットウォークに上がってきた 本航海最後のコア. |
写真3 最後のコアの記載が完了し,ガッツポーズ!の 堆積学者の同僚Matheiu Richaudさん. |
写真4 全ての作業が終了し,誰もいなくなったラボの中. |
船上レポート28 1月2日
Episode28:危険を回避する方法 −最後に伝えたい言葉がある−
須藤 斎(名古屋大学)
あけましておめでとうございます.
名古屋大の須藤です.
いよいよ航海も最後に近づいてまいりました.
何度もお伝えしている通り,船の上では不測の事態が起きても,適切に対応できるように日々注意がはらわれています.
毎週行われてきた避難訓練もその一環です.
常に研究者たちの安全に気を配ってくれています.
船内の多くの場所ではヘルメットとゴーグルの着用が義務付けられています.
忘れて船内をうろついていると,即座に船員さんにこっぴどく叱られます.
でも,決して研究者たちが監視されているわけではありません.
研究者が気をつけ,乗船員全員がお互いに注意しあうことによって,より確実な安全が確保されているのです.
その証拠に,船内を見まわすと,いろいろな注意をうながすプレートがあることに気がつかされます.
危険そうなマークが沢山並んでいます.
実験中はもちろん,薬品を使ったり,扱いに注意が必要な機材を使ったりもします.
写真1枚目に須藤が(デザイン的に)気にいったものを並べてみました.
薬品が体にかかってしまった時の緊急シャワーや,毒物・CO2への注意喚起,騒音への警告,避難場所への誘導,などなど,一目見て何を意味しているかわかるようになっています.
そこで,最も気になった,真ん中のプレート.
なんて過激なポーズではありませんか!
ラボでこんなポーズをとったらブッ飛ばされます.
って,別に過激でも何でもないのです.これ,なんのポーズだと思いますか?
じつはこれ,船の上にあるクレーンを操作する際に,操縦員とその周辺にいる作業員との間で用いられている「手信号」なのです.
常に安全に(船上での作業は常に危険が伴います)かつ確実に行えるような工夫がなされているのです.
言葉でなくても伝わるものがある.
そんな深い悟りをJR号から学んだのでした.
英語が苦手な僕や,今後の乗船に不安を感じている若手研究者たちにとって,なんて力強い言葉でしょう.
もう一度言います.
言葉でなくても伝わるものがある.
このHPを読んでくださっていて,いつかJR号に乗りたい!IODPに参加したい!と思われているみなさん,ぜひいつか参加してください.
がんばれば身振り手振りでも自分のやりたいこと,考えていることを伝える楽しさ,伝わった喜びを味わうことができると思います.
2ヶ月間,本当にありがとうございました.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 いろいろな種類のプレートたち |
写真2 クレーンの操縦に用いられる手信号を 積極的に覚えようとする日本人研究者. 常に自分を高めることに余念がありません. |
船上レポート27 1月1日
Episode27:あけました
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
2010年1月1日,明けました.
洋上で迎えた新年です.
1月1日となった瞬間,船上では大いに盛り上がって新年を迎えました.JR号では,船に乗っている中で一番若い人が鐘を鳴らして新年を迎えるのが習慣になっているとのことで,キュレーターのLala Milesさんが鐘を鳴らして,新年を迎えました(写真1).そして,ビール,ではなくて,冷たい炭酸飲料を飲みながら新年をお祝いし,その後はダンスパーティーが始まったりするなど,皆さんのテンションの高さは凄いものでした.よくキリスト教圏の国はクリスマスが最大のイベントで,正月は一祝日という話は聞きますし,実際,クリスマスが終わると,たくさんあった飾りも一斉に片付けられ,船の中の様子は一変しましたが,年が変わるというのは,どこでもおめでたいものですね.
そして迎えた朝.昨日までは天気が荒れ気味で,今日も日が昇り始めるかな?という時は水平線に雲がかかっていて,水平線上の初日の出は見られないかな,と思い始めていましたが・・・,ちょうど太陽が昇りきったところで雲が切れ,まさに水平線上の初日の出を拝むことができました(写真2).穏やかな海の上の初日の出.みんなで盛り上がり,はしゃいで迎えた新年も良かったですが,静かに昇ってきた初日の出を見るのも良いものです.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 Happy new yearの鐘を鳴らすLalaさん. 後ろは船長のAlexさん. |
写真2 2010年1月1日. 水平線の上の初日の出. |
船上レポート26 12月28日
Episode26:緊急速報!その2 クリスマスプレゼントは…?
須藤 斎(名古屋大学)
12月28日
名古屋大の須藤です.
先日,トイレのスイッチの場所が変更され,詰まらなくなった! と誤報を流してしまいましたが,それにも懲りず,またトイレ前から失礼いたします.
あいかわらずトイレはよく詰まっていて,研究の合間にトイレに駆け込んで,「Oh My GOD!」となっている研究者を見かける日常ですが,そんなストレスの多いトイレ生活に終止符が打たれる時が来ました.
いえ,別についに詰まらなくなった! というわけではございません.
トイレが詰まっていたら,どうしよう…でも,もう我慢の限界だよ!早く早く!!という勢いでトイレに行って,トイレの前に「Out of Oder」の張り紙が貼られていた時のストレスを解消できるようになったのです!
ある日気がつくと,1枚のプレートがトイレの入り口外に貼られていました(写真1).
「BANG HEAD HERE」
「ここに頭を叩きつけろ」ということです.
なんで「Out of Oder」なんだよー!!もう無理!もう無理!!という悲しみをここで発散してください(用を足したいときにそんな余裕は無いという話もありますが.)
そして,ある日,ふと気がつくと,プレートが2枚に増えていました.
一枚目のプレートは比較的高い位置に貼られていて,背の低い研究者には利用できない状態でした.
誰かからクレームが入ったのか,それともあらゆる人にストレスを解消していただきたい!と非常に気のきく(世間では大きなお世話とも言います)スタッフがいたのか,低い位置にももう一枚貼られていました.
しかもわざわざ「身長5フィート4インチ以下の人はこっちを使って」とまで書かれています.なんて優しい人なんだ!と思わず涙が出ます.
ということで,さっそく私が模範的な使用法をここでお示しします(写真2).
まず,勢いよく頭をぶつけてよりストレスを発散させるために,ヘルメットをかぶりましょう.
次に,あまりの勢いで壁が割れたりして破片が飛び散ってしまった場合に備えて安全眼鏡をかけましょう.研究者の基本です.
最後に,壁どころかJR号が破壊されてしまった時のことを考えて,避難訓練で習ったように救命胴衣もしっかりと着用しましょう.
あらゆることを想定して行動に出るのが研究者です.
あとは思いっきり頭を壁に叩きつけるだけです!
さぁ,これであなたも快適なJR生活が保障されました!
トイレがよく詰まってストレスがたまるからJRに乗るのはいやだ,という乗船拒否は今後通用しません.
ということで,どんどんジョイデス・レゾリューション号に乗船しましょう!!
ストレスがたまらない快適なトイレからお伝えしました.
こんなにウィットの効いたことを,誰にも気づかれずにしてくれる人がこの船には乗っているのです.
まさか,クリスマスのサンタのプレゼント!?
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 JR号ではクリスマスプレゼントはツリーの下ではなく、 トイレの前に置かれます |
写真2 正装で利用する日本人研究者 |
船上レポート25 12月24日(木)
Episode25:縁の下の力持ち その6 −最前線で科学を支えるテクニカルスタッフ−
須藤 斎(名古屋大学)
12月24日
名古屋大の須藤です.
メリークリスマス! なんて言葉は僕らにはありません!
いや,あるんですけれど,パーティの合間にもコアは容赦なく上がってきます.
というわけで,クリスマスの話題は誰か書いてくれるでしょう.
船の上にいるおかげで,僕は自分の子供にプレゼントをあげることもできません!なんてひどい話だ!
今年の我が家にはサンタがやってこないんですよ!なんて切ない話だ!
そんな怒りと悲しみを乗り越えて,僕はあえて,あ・え・て,いつもどおりいかせていただきます!
しかし,今日の記事をお読みいただいて,少しは戦場の,じゃない船上のクリスマスの雰囲気を味わっていただけたら嬉しいです.
今回,「縁の下の力持ち」として紹介するのが,テクニカルスタッフのみなさんです.
私たち研究者がいつもいる大学のラボと変わりなく(むしろそれ以上の環境で),船内で研究を進められるのは彼らのおかげです.
コアを回収し,切断,分析用の試料の採集・管理だけでなく,各ラボの分析機器のメンテナンスや操作法の指導などなど,ありとあらゆる研究に関する要求をかなえてくれます.
つまり,彼らに逆らったら,研究者は何もできません.
いや,違います.彼らがいなかったら,僕らの研究は全然進みません.
彼らの多くが地球科学を研究していた人や大学を出ている人.
研究者よりも知識があるんじゃないか? と私なんかはいつも冷や汗をかいています.
さて,今日は彼らがどんな人たちなのか紹介していきましょう.
まずは写真1枚目を見てください.
ハンマーを持っていますね.ドリルの先っちょに詰まっているコアキャッチャーと呼ばれる堆積物をいつも私たち微化石研究者のために取り出してくれます.
堆積物が硬くて取り出せないときは,このハンマーでぶったたいて堆積物を取り出してくれます.
いかついです.とにかくいかついです.
泥まみれになろうが躊躇することなくぶったたいて堆積物を取り出してくれます.わがままばかり言う研究者へのストレスを全てコアにぶつけているんじゃなかろうか?という勢いです.
たぶん,「研究者め!」って思いながらぶったたいています.
硬い堆積物を粉々にした時の爽快な笑顔がそれを象徴しています.
怒らせたら手がつけられなそうなのですが,頼りになるいいあんちゃんです.
さらに写真2枚目の方を紹介しましょう.
この方は日本人のベテランスタッフ黒木さんです.
硬い時はこんなに大きなハンマーでさらにぶったたいてくれます.
たるんだ研究者がいたら,思いっきりぶったたいてくれます.
いや,全然怖くない,頼りになるお父さんです.
日本人のスタッフが乗っていることの安心感.本当にありがたいことです.
次に写真3枚目の真ん中の女性をご覧ください.
何とも浮かれた格好です.
主に微化石ラボ周辺を管理している方です.
さらに写真3枚目の左右の男性をご覧ください.
何とも浮かれた格好のお兄さんたち(右の方は日本人の西村さん)です.
これが彼らの制服です(ウソです).
いつもコアの管理や研究の補佐をすばやくしてくれます.
見ての通り,トナカイなのでサンタ姉さんに逆らうことはできません.
いつも従順にプレゼント(研究補助)を運んでくれます.
スタッフと研究者の違いは一目瞭然です.
浮かれた格好をしてうろちょろしている人を見かけたら,それはテクニカルスタッフです(ウソです).
コチーフも浮かれた格好をしています(写真4枚目)
サンプル処理に追われてひーひー言っているのがいたら,それは研究者です.
泥まみれの格好の人はテクニカルスタッフです(これは半分本当かも).研究者も一緒に泥遊びをしています.
リポート提出締め切りに追われているのがいたら,それは研究者です.
リポートの添削をして,青筋立てている人がいたら,それはテクニカルスタッフです.コチーフです.スタッフサイエンティストです!
研究者を鞭打って働かせている人がいたら,それもテクニカルスタッフです.コチーフです.スタッフサイエンティストです!
鎖に繋がれて,巨大な船に乗せられている人がいたら,それは確実に研究者です!懲役2か月です.
こんな感じで,航海のたびに沢山の研究者を助けてくれるテクニカルスタッフたちが乗船しています.本当にありがとうございます.
研究者はいつもわがままな要求を彼らにしていますが,彼らは笑顔でそれらを一つ一つ片付けていってくれます.
研究者と息の合ったコンビネーションが,新しい研究成果を生んでいっているのです.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
船上レポート24 12月21日(月)
Episode24:クリスマスレポート2
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
クリスマスまで,あと3日となりました.
先日の須藤さんのレポートでクリスマスレポートがありましたが,JR号のクリスマスに向けた準備は,その後も現在進行形で進んでおり,船内の様子も日々変化しています.そのため,一回のレポートだけではJR号のクリスマスがどんなものか紹介できないと思い,勝手ではありますが,第二弾のクリスマスレポート,「クリスマスレポート2」と題して報告させて頂きたいと思います.
今日ご紹介するのはテクニシャンやケーターリングのスタッフの方々による手作りの飾りの数々です.そもそもJR号のクリスマスは,欧米式のクリスマスなので,気合いの入れ方が日本のクリスマスとは全く違う気がしますが,更に,アメリカの深海掘削40年の歴史で積み上げられてきた船上のクリスマス(?)だけあって,船内各所の飾りもユニークなもの,手の込んだものなどなど,驚かされることが多いです.
まずは,ラボの中ですが,研究者のみなさんがサンプリングのために集まっているサンプリングテーブルの上(写真1).離れてみると普通に雪の結晶のような飾りが天井から吊るされています.でも,よく見てみると・・・,何と綿棒(写真1).ここまでやるんか,と思わずツッコミを入れたくなるくらいの飾りです.
それから,会議室の天井を見てください.いろいろと飾りがあり,これも,ちょっと見ただけだと意外と普通なのかな,という感じです(写真2).でも,よく見ると・・・,実験道具のようなもの(?)で作られています.
そして,レストランですが,レストラン前の廊下の壁には,船に乗っている研究者+テクニシャン+船員の全員の名前が刺繍された靴下が(写真3).確か,四,五日前くらいに23時の食事(=夜シフトにとっての朝食)を食べに行ったときは壁の飾りは何もなくて,5時の食事(=夜シフトにとっての昼食)を食べに行ったら,様子が変わっていました.さすがに圧巻でした.
これらの飾りは,テクニシャンやケーターリングのみなさんが仕事の合間を縫って準備したものです.JR号の場合,船上経験の豊富なスタッフが多いので,様々な飾りが続々と登場しています.きっとクリスマス当日まで,JR号は更に変化し続けるのでしょう.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 サンプリングテーブルの天井の飾り |
写真2 会議室の天井の飾り |
写真3 レストラン前の廊下の壁の飾り |
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船上レポート23 12月20日(日)
Episode23:陸棚斜面掘削地点で掘削深度記録達成
保柳康一(信州大学)
今回のExpedition 317の2つ目の掘削サイトU1352で,JOIDES Resolution 号は深度1928 m まで掘削して,後期始新世の地層に到達しました.掘削深度1928 mは,IODPまでの海洋科学掘削において堆積岩掘削での最深到達深度であり,またリエントリーなしの単独の航海による掘削としても最深になるようです.
今回のExpeditionでは陸棚と陸棚斜面という浅い海域を掘削していますが,掘削地点U1352はその中では最も水深の大きい約350 mの陸棚斜面上に位置しています.
このサイトの掘削は,11月30日から始まりましたが,A,Bのホール(孔)をAPC*1,XCB*2で831 mまで掘削した後,3つ目のCホールの掘削をRCB(ロータリーコアリング)で12月6日から開始しました.Cホールでは基本的に660 m以深でコア採取を行いました.1928 mまでのコア採取率の平均は51%でしたが,時々非常に低いリカバリーを記録するためで,多くのコアは長さ6m以上ありの満足できる回収率でした.薄い現世堆積物の下,更新統,鮮新統,中新統と1850 m掘り進み,ついに目的のマーシャル・パラコンフォーミティーを越えて前期漸新世(約3000万年前)の地層に到達し,その下掘削深度1928 mで掘削を終了しました.この最深部のコアがデッキに上がった後,リグフロアーでコアと共に記念撮影が行われました.そちらの写真は,USIOのページに公開されますので,見ていただきたいと思います.
この後,残り2週間で再び陸棚上に戻り,掘削を続けます.次はいよいよ水深80 mという浅海域での掘削です.最初の陸棚サイト(水深約120 m)でもすでに海水準変動を記録した地層を採取しており,さらなる成果を期待しています.
*1 APC(Advanced piston core):アドバンスド・ピストン・コアラー.
*2 XCB(Extended core barrel):伸長式コアバレル.
>> IODP Exp.321:PEAT 赤道太平洋東部掘削 の船上レポート1にて写真掲載済み.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 12月19日午後5時50分 乗船研究者が見守る中,最深部1918〜1928mの コアが到着. |
写真2 このとき,祝福に現れたアザラシ君. |
船上レポート22 12月20日(日)
Episode22:分析のオートメーション化
吉村寿紘(東京大学)
東京大学の吉村(無機地球化学者)です.
気がつけば船上生活も六週目となりました.二つめの掘削サイトU1352を終了して次のサイトに移動中です.
船内での作業に慣れたせいか,一日があっという間に過ぎてしまいます.
私が住んでいる化学ラボでは間隙水,ガス,固体サンプルの分析が行われますが,多くの装置にはオートサンプラーが搭載されています.
もちろん珍しいことではありません.
各サイトで膨大な量のサンプルが採取されますので,なるべく人の手を煩わすことなく24時間体制で分析を進めるためには,オートメーション化は必須と言えます.
しかし便利だけをもたらすわけでもありません.
二つめのサイトも中盤にさしかかった頃,ソース・ロック・アナライザー*1(Source Rock Analyzer:SRA)のオートサンプラーが不穏な行動に出ます.
サンプルを落としたり,サンプルを投げたり,サンプルを違う場所に置いたり.
現在では,いつ何時どこで何をしていようともサンプル交換の確認を怠ってはいけない状況になりました.
SRAは一回の測定に数十分の時間を要するため,作業にも食事にも会話にも休憩にも常に頭の片隅を占領しており,何かに追われているようなそんな日々になってしまいました.
図らずも古典的な命題に突き当たってしまったのでした.
*1地質試料に含まれる炭化水素などの量を測定する装置
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 ソース・ロック・アナライザー (Source Rock Analyzer:SRA) 100個のサンプルを搭載可能. |
写真2 CHNSのオートサンプラー (地質試料に炭素,水素,窒素,硫黄の量を測定する装置) 四段重ねで124個までサンプルを搭載可能. |
写真3 船上での揺れ補正機能を備える天秤とオートサンプラー. 1日9時間程度稼動中. |
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船上レポート21 12月17日(木)
Episode21:Tシャツデザインコンテスト開催中!
須藤 斎(名古屋大学)
12月16日
名古屋大の須藤です.
これまでの航海のレポートをお読みいただけるとわかるかと思いますが,船上では航海ごとにTシャツのデザインを競うコンテストが行われます.
航海後半の恒例イベント.
もうすぐゴールも近いとあって,研究者たちは研究そっちのけ,レポート作成の締め切りなんてお構いなしにデザインを作成し続けています.
今回は研究者たちの素晴らしいデザインセンスをご紹介しましょう!
まずはエントリーナンバー5番!
クジラです! この航海でも現れた(と思われる)クジラです!
足が生えているので,進化前のクジラでしょうか!?
背後では火山まで噴火しています.クジラも爆発しています.
船上での研究への怒りを表したすばらしい作品です.
やたらとうまいです. お笑い漫画道場の常連でしょう,きっと.
このコンテストの一番人気です.
作者は「Whalesaurusだ!」と言っていました.
たぶん,クジラでも恐竜でもどっちでもよいのでしょう.
そういう気概が伝わってきます.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真1 エントリーナンバー 5番 |
次はエントリーナンバー83番!
本航海出港地のオーストラリア名物,カンガルーを大胆にデザインの中心にもってきました!
うろ覚えなところがまた良い味を出して,これもまたすばらしい作品に仕上がっています.
「恐竜じゃないよ」とわざわざ書いているところに,作者の謙虚な姿勢がうかがわれます.
「研究者の記憶力なんてこんなもんだ! お前ら,もっとメモを取りながら研究を進めろよ!」という警鐘までわれわれに流してくれています!
深い!深い作品です!
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真2 エントリーナンバー 83番 |
3番目はエントリーナンバーすらありません!
ナンバー5と同じく,航海の番号である317という数字すらありません!
はたして,このコンテストにエントリーしているのか,それすら謎です.
ていうか,やる気があるのかすら疑問です!
が,そのビビッドな色と,かわいいキャラクターで,本コンテストのダークホースになるかもしれません!
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真3 エントリーナンバー なし |
最後の作品は,エントリーナンバー45番!
もはや,番号の順なんてどうでもいいです.
写真でこの作品の良さが伝わるか,それだけが心配です.
色が薄くて読み取りにくいっつ〜の!
しかし,大の大人がこれを描いたとすれば,ある意味ものすごい才能の輝きを感じます!画伯と呼ばせていただきます.
いつまでも,子どもの心を忘れない,そんな研究者たちの姿勢をこの作品全体から感じることができる傑作です.
さて,みなさんはどの絵がプリントされたTシャツが着たいですか?
コンテストの結果は,発表があり次第(たぶん)お伝えします.
※写真をクリックすると大きな画像をみることができます。
写真4 エントリーナンバー 45番 |
船上レポート20 12月17日(木)
Episode20:一ヶ月ぶりに陸地
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
昨日,一ヶ月ぶりに陸地を見ました.
夜シフトの私は,日の出を見るために外に出ることはあるのですが,掘削現場がニュージーランドの東側で,海しか見えない東方向を見ていたため,西に陸地が見えることに気づきませんでした.昨日の午前十時過ぎに昼シフトのSedimentologistのGreg Browneさんがラボに来て「Mt. Cook(ニュージーランドの最高峰)が見える」と言っていたので,その場にいた人たちでぞろぞろと外に出てみたら,すごく天気が良くて,水平線上にニュージーランド南島のアルプスが見えました(写真1).一ヶ月ぶりに見た陸地です.距離的には300 kmくらい離れていて,水平線上にギリギリで見える感じですが,アルプスの山々の大きさが実感できます.
そこで,何となく思ったのは,船から見えた山々と掘削現場の対照的な存在感です.山の上にいる人からはこの船は見えないだろうし,とても小さな存在だ.でも,この掘削現場では,山とは逆に,海面から数千mもの未知の地下世界を掘り抜いている.そして,地下から上がってくるコアを船上で待ち受けている約30人の研究者たちは,コアを見たり,触ったり,時には食べたり(爪楊枝の先にちょっと取って食べることもあります),とにかく可能な限りの手段を尽くし特徴を明らかにして議論をする.コアの直径は10cmにも満たないけど,そこから明らかになる世界は,Mt. Cookどころではない,限りなく大きな世界だ.
地下深くから上がってくるコアを生で見られるだけでも凄いことですが,そこから展開される研究世界の大きさを改めて実感しました.
気がついたら12月も半ばを過ぎ,航海も残り3週間を切りました.現在は,Site 2の掘削が進行中で,更に他のサイトの掘削も残されており,掘削はまだまだ続きますが,一方で,ポストクルーズの研究に関する話し合いや,下船の準備もあるので慌ただしくなりそうです.先日は航海の疲れを吹き飛ばす(?)ためのダンスパーティーが開催されるなど船内は賑やかな毎日ですが,体調の管理には気をつけていこうと思います.
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写真1 水平線の上にかすかに見えるニュージーランドの 山々. |
船上レポート19 12月14日(月)
Episode19:縁の下の力持ち −海の上の先生−
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
こんな私も大学では学生たちの前で講義をしたりしているわけですが,私の他にも大学で教鞭をとっている沢山の方たちが乗船しています.
その中で,私たちと全く異質の方がいます.
それがJulieさん.
この方はアメリカのテキサス州Watauga中学校の先生です.
昔,2年間地質系の研究所で働いていたそうですが, 「やっぱり教えるのが好き」 と思い,中学校の教員の道へ転向したそうです.
IODPには学校の先生や博物館で働く学芸員などが乗船し,一緒に研究を体験するというプログラムがあります.
(JR号ではTeacher At Seaと呼ばれています.)
つまり,研究者でなくてもJR号や「ちきゅう」に乗船できるのです.
このプログラムの目的は,乗船経験を学校に持ち帰り,子どもたちにIODPのことを知ってもらうことです.そこから,将来の地球科学研究者を目指す子どもたちが出てくるかもしれません.
ということで,JulieはIODPを未来へつなぐ架け橋であり,地球科学にとっても大切な縁の下の力持ちなのです.
乗船中には衛星回線を使って,世界中の学校と中継で授業をしたりしています.
研究者が分析をしている現場や,コアを採掘している現場に現れては私たちに取材をして,子どもたちとコミュニケーションをする!という何とも画期的な活動です.
少しでも電波の良い場所を求めて先生が右往左往奮闘している様を目撃したら,すぐに研究者は場所をあけましょう.
さて,「先生」というのはいつの世もあこがれの的,尊敬の対象であると同時に,私のようにいたずらばかりしている生徒にとって,恐怖の対象でもあります.
屋上(デッキ)でさぼっているのを見つかったら大変なことになります.下手したら校長(たぶんコチーフ)に呼び出しをくらいます.
なので,いつも目を盗んでは悪さをしている研究者たちもこの先生の前では借りてきた猫のようです(へたすりゃサンプルをもらえなくなるし).
また,ミーティングの時には,先生が乗船中にどういう活動をするのか,ということを発表してくれるときがあるのですが,さすが先生.すぐに会議室が教室に変わります.
発表がとても上手で,いい年した研究者たちがあっという間に学生のようになってしまいます.
もちろん,居眠りしたらチョークが飛んできます.百発百中です.
生徒たちも単位(サンプル)をもらえるように必死です.
居眠りやおしゃべりをしていたら,バケツを持って廊下に立たされます.
乗船期間中は先生に研究のことを知ってもらうだけでなく,実際に研究を体験してもらいます.
つまり,サンプルの処理や,分析を手伝ってもらうのです.
先生を助手に使ってしまって,申し訳ないとは思いつつ,ここぞとばかりにこき使っています(ウソです,協力していただいて本当に感謝しています)
子どもたちとコミュニケーションを取ること,楽しみながら教えるということ,習うこと,
研究者たちが,先生から研究の基本を思い出させてもらえる,そして,教育の在り方を改めて考えさせてくれる,そんなプログラムです.
ぜひ,世界中の先生たちにどんどん参加してもらいたいと思います.
そして,もりもり私たちの仕事を手伝ってください!
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写真1 コアキャッチャーを取りに行く体験をしている Julie先生 |
船上レポート18 12月10日(木)
Episode18:決戦はクリスマス
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
今回の航海の最大の特徴は, 「超浅海域で掘る」 (水深80mで掘削というのはかなり珍しい試みです)ということなのですが,そんなことよりももっと大事な特徴があります.
そうです! クリスマスまで働いているんです!
だからといって,僕らはクリスマスを忘れてしまうなんてことはありません.
なにより,欧米人研究者が沢山乗っていますから.
そこで,研究そっちのけでクリスマスへの準備が進められていますので,紹介していこうと思います.
まずは,僕ら微化石研究者がいつも作業を続けている部屋に行ってみましょう.
なんと! 壁に色とりどりのオーナメントが飾られています!(写真1)
黄色や白,灰色まで,なんて鮮やかなクリスマス飾りなんでしょう!
さらに他のラボに行っても沢山のクリスマスオーナメントが飾られています(写真2).
次に船内でラボの次によく使用する会議室に行ってみましょう.
先日クリスマスツリーが会議室におかれました.
田辺さん「会議室の机を一つつぶしてまで置く意義が分かりません」という意見もありますが,会議もクリスマス気分です.
さらに,会議室には暖炉まであります.ロッキンチェアーが無いのが残念でなりません.
暖炉については浦本君がリポートで報告していましたので,我々がどんなふうにこれを利用しているのかだけ紹介しましょう.
暖炉のおかげで毎晩,みんな汗だくでミーティングをしています.
ときどき,木がぱちっっとはぜって火の粉が散ります.会議の最中に「あちっ!」という声が聞こえてきます.
食堂に行ってみましょう.
すると,須藤が乗船前から研究の準備以上に,熱心に準備を進めて折っていた折り紙のクリスマス飾りが飾られています(写真3).
ツリーの中には
「(絵馬の形をした)折り紙にお願い事を書いて入れてね」と頼んだカードが入っています.
まさに,日本の大みそかと西洋のクリスマスのコラボレーション!
初詣とか,絵馬とか説明するのがこんなに大変なものだなんて想像もしていなく,後悔の日々です!
お願いごとの須藤的第一位は「前歯2本!」という願いです.
ぜひかなえてあげたいところですが,いかんせん歯医者は乗船していません.下船してから自分で歯医者に行ってください.
今度は船の外に出てみましょう.
なんと! 船の通路の色がクリスマスカラー(ちょっとだけ赤っぽい)に塗り替えられているではないですか!!(写真4上)
って,ただ前のペンキが汚くなってきたので通路を塗り替えただけみたいですが.「注意!ペンキ塗りたて」の紙も貼ってありましたし.
出入り口の所にある足ふきマットを見てみましょう.
なんと! 足跡があるじゃないですか!(写真4下)
これは,サンタさんが早くも船の中にやってきた証拠に違いない!
さて,最後に掘削をしているドリルデッキに行ってみましょう.
掘削現場には「Merry Christmas for ALL!」というガード下みたいにスプレーで殴り書きがされています(写真5).ここでもクリスマス気分が一杯です.
そして,掘削をしている現場をよ〜く見てみると・・・
なんと! サンタさんがいます! (写真6) 僕らのためにすでにサンタさんがやってきています!
クリスマスの準備万端です! しかも掘削作業をもりもりやっています!びっくりです.科学の現場にはサンタまでいるんです!
この人は掘削スタッフリーダーのババさんです.北欧出身ではありません.
きっとクリスマス当日には,サンタの格好をして掘削を続けてくれることでしょう.
たまにはコア以外のプレゼントも運んできてもらいたいものです.
以上,船内クリスマスツアーを終了いたします.
最後に,もう一度,お伝えしたいことがあります.
私たちはクリスマスにも働いています.日曜休日なんて関係ありません.そんな中,
「きっと何か(休日が支給とか)が起きてくれる」
「クリスマスって奇跡(休日が配給とか)が起きるんでしょ?」
って思いながら,心から願いながら研究者たちは研究を続けているのです.黙々と.でも楽しみながら.
小さなことで大きな喜びを感じながら研究を日々続けているのです.
今なら,西洋人たちも
「苦しみますクリスマス」
なんていう古典的なジャパニーズジョークも理解してくれると思う.
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船上レポート17 12月6日(日)
Episode17:サンプリングを楽しもう!
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
Site2の掘削が始まって一週間が経過し,コアの記載や分析がひたすら続いています.コアが上がり始めると,研究者はラボごとの仕事がある一方で,毎日二時間交代で,二人一組のサンプリングシフトの時間があります.
サンプリングの時間は,各研究者が提出したサンプルリクエストに沿って,サンプリング箇所に写真1のような旗を立て,ひたすら,コアのサンプリングを行います(写真2).今日は,このサンプリングについて紹介します.
ただし,サンプリングの作業についてではなくて,サンプリングの楽しみ方の例について.
私は,サンプリングをイタリア人古地磁気学者のJaume Dinares-Turellさんと一緒に担当しているのですが,Jaumeさんは陽気なイタリア人だけあって,サンプリングの最中に起こるちょっとした出来事を楽しんでいる感じです.その例の一つが写真3の手前のコアです.サンプルは,コアごとないし,セクション(※1)ごとにリクエストが出され,一定間隔で,という人が多いです.ただ,まずは希望者のサンプルを確保することが第一ですから,写真3のようにコアが短い場合は,サンプリング間隔はさておき,多くの人がサンプルを取れるように配慮してサンプリングをするので,コアが取り尽くされて,スゴいことになります.しかし,写真3にはちょっとおかしな点があって,乗船経験のある方が見れば気づくと思いますが,写真左端に古地磁気(P-mag)用キューブが同じ層準に二つ並べられています.P-magのサンプルは,コアの中心を取るので,同層準からサンプルを二つ取ることはありません.私が写真を撮ろうとしたら,Jaumeさんは「せっかく写真を撮るんだったら,全部サンプリングしたように見せないと」ということで,P-magのキューブを並べ始めて,写真3のようになりました.確かに,この方が見栄えが良いですね.
また,P-magサンプルは古地磁気の測定を行いますから,定方位(※2)でサンプリングします.ただ,先日,Jaumeさんがサンプルを落として,方向がわからなくなってしまうというハプニングがありました.その場でサンプルを元の位置に戻せば,方向を確認できたかもしれませが,Jaumeさんは,「This is a dice!」と言って,転がし始めました.確かにP-magのサンプルは,形はサイコロそのものなんですけどね.「サイコロだ」と言って転がす発想はありませんでした.その場にいた吉村君と私は驚くと共に大笑いしました(写真4).貴重なコアの一部ですから,この後,元の位置に戻しましたが.
サンプリングに限ったことではないかもしれませんが,コアが上がってきたり,報告書のまとめで忙しくなると,余裕がなくなってしまいがちです.特に,船上での研究は休みがないので,なおさらです.そういう時は,仕事の中で起こる出来事をちょっと楽しむだけで,仕事への取り組み方も変わって来るように思います.そんな心の余裕も必要なのかなと思う今日この頃です.
※1:コアは約10mごとに海底下から採取され、番号が振られます。そのコアは、1.5mごとに切断され、分析に回されます。
この1.5mに切断されたコアをセクションと呼び、各セクションに番号が振られます。
※2:コアのどの方向がどの方角を向いていたかを記録すること。
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写真1 サンプリング用の旗. |
写真2 サンプリングをする大井君. |
写真3 コアが短いとサンプリングは 手前のコアのようになります. |
写真4 「P-mag dice!」と言ってキューブを振り出した Jaumeさん(右)と,驚く吉村君(左) |
船上レポート16 12月6日(日)
Episode16:縁の下の力持ち その4 −洋服要らずの船上生活−
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.好評(私の中で)シリーズ第4弾!
この船では僕ら研究者は研究「だけ」に没頭できます.雑用が一杯やってくる大学とは大違いです.
生活で大切なものといえば衣食住.
例えば食事. 毎日おいしい食事が沢山出てきます.これは前に紹介しました.
では,衣と住はどうなっているのか,紹介したいと思います.
僕らの生活はケータリングスタッフと呼ばれる方々がしてくれています.
ほとんどの方がフィリピン人だそうです.
汚れた服は部屋の番号がついた網袋に入れて,廊下に置いておくと,彼らがどこからともなくやってきて洗濯しておいてくれます.
そして,仕事が終わって帰るころには部屋の前に洗濯済みの服が置かれています.
つまり,2着服があればOKなんですよ!
タイトルは別に深い意味はありません.本当に服(2着以外)いらずの生活ができるんです.
裸で研究をしている人なんて一人もいませんよ!
暑いと思って,防寒具を全然持ってこなかった須藤にはこんなに素晴らしいことはありません!
さて,届いた袋を開けてみましょう.
なんと,きれいにたたまれているではありませんか!!
須藤がいまだにできない,あの洋服屋さんでシャツが並んでいるときのたたまれ方で!
それはもう,ブティックに行って買い物をして,家に帰って新品の服をあけるときの喜び! わくわく感!
あれを毎日体験しているようなものです!
毎日,腐るほどに見あきた服も,このたたまれ方一つで新品の気分!
研究にも力が入るっつ〜もんです.
研究者たちは毎日モデルさん気分で気分良く研究をしています!
ラボを歩く時も,ついついモデルウォークだっつ〜の!
洗濯のしすぎで若干色があせてきている気がするけれど気のせいです!
彼らが服の色まで染め直して研究者の毎日の気分を変えてくれているに違いありません!
なんて技術の高いスタッフなんでしょう!
さて,衣の次は住です.
朝起きて,洗濯ものを廊下に放り出して,布団はそのままです.
すると,彼らはどこからともなくやってきてお部屋をお掃除しておいてくれます.
部屋に帰ると,布団がきれいにたたまれ,散らかったものはきれいにまとめられています.
彼らの辞書には「せんべい布団」なんて言葉はありません(ていうか,フィリピンにせんべいがあるのか?).
毎日ふかふかの布団で気持ちよく眠りにつくことができます.
こんな風に研究者たちは彼らのおかげで毎日自分の身の回りの心配をすることなく研究に没頭できます.
本当にありがたいことです.
彼らとは生活空間が違うのであまり交流できないのですが,今回私が一番伝えたいのが彼らの笑顔についてです.
廊下ですれ違う時,たとえ仕事中でも彼らはすばらしい笑顔を僕らに向けてくれます.
僕らは研究で忙しい時,集中力をそがれると,ついつい不機嫌な顔をしてしまいがちです.
でも,彼らのように,どんな時でも素晴らしい笑顔を見せてくれる,そんな研究者になれるといいなと思います.
生活が快適過ぎて,ご飯ももりもり食べています.
食堂のみなさん,本当にありがとう.
おかげで,なんとなくズボンが僕の体形にフィットしてきた気がします.
いや,これは,ズボンが洗濯のしすぎで縮んだんだ! そうに違いない!
僕のために服のサイズまで変えてくれるなんて!ケータリングスタッフの底力を感じます.
なんて技術の高いスタッフなんでしょう!!いや,本当に,彼らのおかげですって!
JR号に乗ると「太る」っていう噂はウソですって!!
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写真1 いつも笑顔のケータリングスタッフたち. 朝からこの笑顔に迎えられて仕事を始めることが できます. |
写真2 船内の隅々まできれいにクリーニングをしてくれます. この仕事に対する真摯な姿勢は研究者たちも 見習わねばいけません. |
船上レポート15 12月1日(火)
Episode15:世界が注目のIODP
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
いよいよ二つ目のサイトに移動し,またあわただしい毎日が戻ってきました.私たちがいったいどんな研究を行っているのか知りたい方は,J-DESCのHPや浦本君のレポートをご覧いただけると良いでしょう.
そこで,今日はあまり情報が無いという気がする,我々の掘削がどれだけ世界から注目されているのか,お伝えしたいと思います!
船の周りを見てください.
鳥たちが集まっています(写真1).
びゅんびゅん周りを飛んで,時にはぷかぷか浮いて,我々の動きをチェックしているのです.鳥目のくせに夜まで監視を続けています.
そうです! 人類どころか,鳥類にさえ注目を浴びているのです!!
決して,コックさんが残りの野菜くずを海にまいているわけではありません!
いいなぁ,お前らは自由で・・・好きな時に陸に帰れて・・・
なんて一言も話しかけてなんかいません!
このように,研究者たちは周りにやってくる動物たちを観察して気分を落ち着けているのです.見つめられたら見つめ返すのが愛です.
これまでにやってきた動物たちは,
大きめのクジラ?・小さめのクジラ?・オットセイ?やたらとでかい海鳥・やたらとでかいカモメ・ウミツバメ? トビウオも見ました.
そして,周りには近海から流れてきたであろう,海藻がぷかぷかと浮いています (写真2).
そうです!藻類にまで注目を浴びているのです!!
さらに目を凝らすと(しっかりと写真2を見てください!),
海中には珪藻や浮遊性有孔虫,ナノプランクトンがぷかぷかと浮いています(見えないっつ〜の!)
さらに海底に潜ってみましょう!(潜れないっつ〜の!)
掘削のためのパイプが海底に突き刺さっていますね.
なんとここでも海底に住んでいる底生有孔虫が集まっているではないですか!
そうです! われわれ微化石研究者が解き明かそうとしている彼らの進化の様子を,現在海に生きている彼らも知りたいのです!!
森羅万象から注目を集めるカンタベリー航海の様子をお伝えしました.
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写真1 船の周りに集まる鳥たち |
写真2 わざわざJR号をのぞきに沿岸から流されてきた藻類 |
船上レポート14 11月30日(月)
Episode14:いつの間にか(?),Site 2 掘削開始
浦本豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
11月も末日を迎えた今日, JR号がシフト(0:00〜12:00)の時間帯に,いつの間にか Site 1からSite 2に移動し,Site 2の掘削が始まっていました.
心の準備ができていなかったのですが, Site 2の掘削開始です!
今日のシフトが始まる前のミーティング時は,まだSite 1で最終的な作業(掘削孔をコンクリートで埋める作業)をしているという話だったように記憶しています.
また,今日のラボの様子は, 昨日でSite 1のsite summaryの投稿が完了したため,のんびりとしていて,conference roomにはいつの間にか“暖炉”(写真1)ができていたりするなど,新たな掘削が始まる様子は微塵も感じさせず,まだSite 1にいるんだろうと思い込んでいました.
ただ,シフトが終わるときのミーティングでStaff scientistのPeter Blumさんが「あと15分くらいでSite 2の最初のコアが上がってくる」と話をされ,初めて移動していたことに気づいた,という感じです.
そして,今日の昼シフトの仕事が始まると共に「Core on deck」の船内放送とともにSite 2のコアが上がり始めました(写真2).今日から,改めて忙しい日々を迎えそうです.
Site 2は,来月19日まで,20日間に渡って掘削・検層が行われる予定で,今回の航海の中では,一箇所のサイトとしては作業期間が最も長いです.
このサイトは大陸斜面上部の掘削なので,他のサイトに比べて水深が深く,堆積物も比較的細粒であることが想定され,確実にデータが取得できるという意味で重要なサイトになると思われますので,堆積物の記載も注意深く行っていこうと思います.
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写真1 いつの間にかconference roomにできていた "暖炉" |
写真2 Site2で回収されたコアを切断する テクニシャンの方々. |
船上レポート13 11月29日(日)
Episode13:避難訓練,さぁ,逃げ出そう!
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
今日は謝らなくてはいけないことがあります.懺悔です.告白です.心からの謝罪です.
先日のレポートで,JRのトイレのスイッチの位置が変わって,(何となく)トイレが(たぶん)詰まりにくくなった!やった=! という(JR的に)特大ニュースを流させていただきました.
が,すみません,誤報でした. 昨日,詰まっていました・・・
あぁ,世界中からニュージーランド沖まで,乗船経験者たちの落胆のため息が聞こえる・・・
いや! 前よりかは詰まる回数が減った気がする!(たぶん,きっと…)
これにめげずにみんなで乗船しましょうね♪
ニュースは裏付けを取るのが大事.研究と同じです.
さて,話は本題に戻らせていただきます.
以前のレポートでは船上でがんばっている掘削技術者の紹介をさせていただきました.
読んでいただければ想像がつく通り,非常に危険な作業です.
船内では毎週避難訓練があります.
この訓練では全ての作業を中断して,全乗船員が避難をしなくてはなりません.
危険な作業をしているときに,すばやく対応できるように訓練が頻繁に行われているのです.
これはもちろん,火事などの不測の事態に備えたもので,訓練ではヘルメット・安全眼鏡・ライフジャケットを着用して自分がのりこむ避難ボートまで行かなくてはなりません.
決して研究から逃げ出す為の訓練ではありません!
航海が半分にさしかかり,「もう嫌だ! こんなところ! 出てってやる〜!実家に帰らせていただきます!!」 なんてかけらほども思っていません.
その証拠をお見せしましょう.写真2枚目をご覧ください.
なんと,ライフジャケットにヘルメット,ゴーグルまでつけて珪藻化石の顕微鏡観察を続けているではありませんか!
どんな危険な事態が起きても即座に対応できる,研究者の鑑です!
写真3枚目をご覧ください.
なんと,ライフジャケットを着たまま,筆で小さな小さな有孔虫を砂の中から拾い出す作業を続けているではありませんか!
まさに有孔虫研究者の鑑!しかし!ヘルメットとゴーグルを忘れているところに彼の油断を感じます.
そして,「彼」は無事に避難を遂げたのでした・・・(写真4枚目)
※写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
写真1 4番ボートに逃げ出してきた日本人研究者たち. その避難のスピードはどの国の人にも負けない. |
写真2 常に安全に気を配りながら研究を続ける 日本人珪藻研究者 |
写真3 常に安全に気を配りながら研究を続ける 日本人有孔虫研究者 |
写真4 避難訓練を本番と見据えて, 積極的に救命ボートに乗り込む日本人研究者 |
船上レポート12 11月27日(金)
Episode12:Happy birthdayと言われたら・・・
浦本豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
「バラの男」に続いて,「ケーキの男」として,須藤さんに写真を掲載いただきました.
この「〜の男」シリーズも何となく唐突な感じで,実際,バラの男は,かなり唐突でしたが,ケーキの男は,ある程度,いわれのある話なんです.
須藤さんのレポートで紹介されているように,昨日はアメリカのThanks Giving Dayで,ケーキを食べました.そして,一昨日は,私の誕生日ということでケーキを頂きました.
振り返ってみて,帰納的に考えてみると(本当は何も考えていません),二日続けてケーキが出てきたから,次はケーキの男だ!!という話です.
Thanks Giving Dayに関しては,須藤さんのレポートをお読みいただくとして,私は自分の誕生日の出来事を紹介したいと思います.
そこで,標記の「Happy birthdayと言われたら・・・」というのが問題になるんですが,普通は「Thank you very much!」とお礼の返事をすると思います.
しかし,私は,最初に「Happy birthday!」と言われたときに,「W, Why?」と聞き返しました.それがJR号式の誕生日だから,というのはウソですが(すいません),誕生日の話をしたことがない知り合いから,出し抜けに「Happy Birthday!」と言われたら,いくら顔を知っている人でも驚きませんか?
そんなSurpriseを経験し,一昨日の誕生日を迎えました.
異国の地で,しかも洋上で誕生日を迎えるという機会は,今後はおそらくないでしょうし,これまでの航海の船上レポートで,誕生日のお祝いの話は何度か出てきているので,今回の航海で,自分の誕生日は楽しみにしていました.
ただ,誕生日の二日前くらいから意表をつかれる出来事がありました.何故か,周囲の人達に「Happy Birthday!」と言われるようになったのです.自分自身で,誕生日の話をした覚えがないにもかかわらず.そのため,最初は,「Thank you」というよりも先に,「Why!?」と聞き返さずにいられなかったのです.
真相は,Publication specialistのDebbieさんが誕生日の情報を事前に船内のメールで送信していたとのことでしたが,このようなSurpriseを経験することは考えていなかったので,驚きが大きかったのは確かですが,その分,非常に嬉しかったです.
そして,誕生日の当日は,夜シフト明けの食事の時に,食堂にいた方々にHappy birthdayの歌を歌って頂き,また,バースデーのケーキとカードを頂きました.
みなさん,それぞれのシフトで忙しい中,バースデーカードにコメントを頂き,また,コックの皆さんは6時間ごとに食事の用意をしなければならないという忙しい中,ケーキを用意して頂き,本当に感謝です.
どうもありがとうございました!!
写真は, バースデーケーキの写真と,Imaging SpecialistのBillさんから頂いた写真です.この船上レポートは,誕生日の当日に書くべきところでしたが,Billさんに写真のことを聞いたら,今日取りに来て,と言われたため,報告が今日になりました.
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写真1 バースデーケーキ. ケーキの写真を撮ろうとカメラを出したら, 「さすがJapanese guyだね」とBillさんは 笑ってました. |
写真2 ろうそくを吹き消す筆者(手前). 左はSedimentologist の田辺さん (産業技術総合研究所). 撮影:Bill Crawford氏. |
船上レポート11 11月26日(木)
Episode11:緊急速報!
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.今回はトイレから失礼します.
乗船経験者の皆さん! ニュースです!!
トイレのボタンの位置が変わりました!!
須藤は船の上で何をやっているんだ? という声が聞こえてきそうですが,ニュースは新鮮さが重要です!
乗船生中継です!
JR号の最大の問題点のひとつに, 「トイレがよく詰まる」という問題点があります.
JR号のトイレは飛行機と同じようなバキューム式で,トイレの後ろにあるボタンを長〜く押してしばらくするとシュゴゴゴ=っと流れていくのです.
しかし,これがよく詰まる.
ちゃんと係の人に連絡すれば1時間くらいで直してくれるのですが,研究室から一番近いトイレ2つが両方とも使えないこともよくあります.
そして先日突然トイレのスイッチの位置が変わっていました.
心なしか,バキュームの音が強くなった気がします.
(たぶん)詰まりにくくなったのではないでしょうか?
部屋のトイレについてはまだ改善されていませんが,これは大きな前進です!
研究者に安心感を与えるという意味でも大きな一歩です!
船酔いをして気持ちが悪い時,
分析中にずっと我慢していて,やっと用が足せるよ! やった=!
とトイレに駆け込んだ時のまさかまた詰まっていて使えないんじゃ…という恐怖心.
そして,「OUT OF ORDER」の張り紙がされていた時のあの絶望感・・・
自分の部屋のトイレに駆け込みたいけれど,逆シフトの人が寝ているし・・・という乗船研究者特有の心遣い,切ないやさしさ.
ついにこれらから解放される時が来たのです!!
この喜びは乗船経験者にしかわかりますまい!!
しかし,JRから発信されるニュースの中でも過去最大級のものに匹敵するニュースです!!
これで,「トイレがすぐ詰まるからいやだ」という乗船拒否の言い訳は使えなくなりました.
さぁ! みんな! どんどん再乗船しましょう!!
これで安心してバンバン研究できます!!
ああ,世界中の乗船経験者たちの喜びの声がニュージーランド沖まで聞こえるようです.
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写真1 たぶん,問題が改善されたはずのトイレ |
船上レポート10 11月26日(木)
Episode10:縁の下の力持ち その3 −Thanks Giving Day−
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
朝,食堂に行くと食堂では感謝祭の準備がされていました.ということで,今日は僕らの食事を作ってくれている食堂のコックさんたちを紹介したいと思います.
研究者を含め,乗船している人間は100人近くになるでしょうか?
その人たち全部の食事を作ってくれています.
研究者や船員たちはみんな基本的に12時間交代で働いています. ですから,食事も6時間ごとに一日4回出されているのです.
それらをすべて賄ってくれるのがコックさんたち.いつもおいしい料理をたくさん作ってくれます.沢山のメニューの中からコックさんたちがそれぞれの食べたい料理をお皿に盛りつけてくれます.
そんなにのせなくていいよ!っていうくらい.「ちょっとだけのせてね」と言っても,たっぷりと盛りつけられます.
須藤は明らかに欧米人より体格が貧弱で,そんなに食べられないだろう!と想像がつくだろうに,欧米人たちと同じ量を容赦なく盛りつけてきます.
日本人に対する挑戦か! ということで,(一部の)日本人研究者たちも負けずに朝からステーキを食べて挑戦を受けて立っています.
デザートや,おやつに出てくる沢山の種類のケーキやビスケットも全部手作りです.非常に甘いです.
コックさん「お前ら,頭使っているんだろ!? 頭脳労働には砂糖! 砂糖が必要なんだよ!」って僕らに気を使ってくれているんじゃないか?っていうくらい非常に甘いです.これぞキングオブデザートです.
毎日大量の食事が出てきます.そんなに食べきれないよ!っていうくらい. 本当に航海の最後まで食材がもつのか心配になるくらい.
コックさん「お前ら,どんどん食べろ! 食材の心配? そんなこと考える必要はないぜ! とにかく食べろ!! 無くなったときは,その時考えりゃいいんだよ!!」
そんな心意気を感じます.
研究者たちにとって,僕にとって,JR号はあこがれの船です.
最高の研究設備が整い,世界で初めて手にするサンプルを,採ったその場で研究ができる!
まさに夢の世界です.研究者になってよかったという喜びを改めて感じさせてくれます.
JR号の厨房はものすごく大きいです.
きっと彼らコックさんたちにとってもこんなに大きな厨房で,大好きな料理をたっぷり作れて,しかもみんなにたっぷり(本当にたっぷり)食べてもらえる.そんな喜びが彼らから伝わってくるようです.
彼らはいつも笑顔を絶やしません.食事を盛りつけているときも気さくに話しかけてきてくれます.研究者たちはもちろん,乗船者が健康を保つことは,船の上で一番大切なことだと言えるでしょう.
そして,食事が私たちにとって最高の(唯一のともいえる)楽しみなのです!
そんな私たちの健康と元気のパワーを与えてくれる彼らに感謝しないといけません.彼らもIODPの影の主役と言えるでしょう.
疲れた研究者たちに笑顔までふるまってくれる,そんなすてきなレストランがJR号にはあるのです.
今日も繁盛しています.満員御礼.皆さんもぜひ一度ご来店ください.
※写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
写真1 沢山の豪華な料理を毎食楽しめます |
写真2 いつも笑顔の食堂の人たち |
写真3 ターキーが飾られていました. デコレーションの腕も超一級!? |
写真4 「今日ふるまわれるケーキは全部おれのものだ!」と食べる気満々の韓国人研究者, Young-Gyun Kimさん. この糖分が研究者の頭を働かせるパワーになります |
写真5 海の男の名前を返上し,薔薇の男の名前も返上し,ケーキ男爵になった 浦本君 |
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船上レポート9 11月25日(水)
Episode9:縁の下の力持ち その2 −ドリルデッキにて−
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
先日掘削をしているところを遠巻きに見学していると,掘削作業の責任者,Bubbaさんから声をかけられ,なんと掘削オペレーティングシステムに招待されちゃいました!
掘削作業を見ていると,ものすごく大きく長いパイプをクレーンで自由自在に操っています.何本ものパイプをつなぎ,コアをその中に通していきます.
時には海水が噴出してきて,びしょぬれ,泥だらけになったりもしていますが,見学している僕には笑顔を向けてくれます.
こんなに格好良いお父さんもなかなかいないのではないでしょうか.
はたして彼らにどれだけの体力があるのか? そんな疑問がわいてきます.
彼らの食事を見ていると,当然それだけ食べなくてはあんなに大変な作業はできないよな〜と納得できる食べっぷり.
IODPでは,研究者やその研究内容,研究技術というものにスポットが当たりがちです.しかし,その陰で何百人もの支援者がいます.
研究者を支える研究スタッフ,毎日おいしい料理を作ってくれるコックさんたち,船内の快適な生活を支えてくれる方々,本当にいろいろな人たちに助けられています.
そして,本当の主役と言ってもよいのが彼ら,掘削を実際にしてくれる人たちでしょう.
僕たち研究者は,掘削を計画し,それを研究することはできますが,彼らがいなくては何もできません.
本当に,感謝の毎日です.ぜひ彼らの大きな力を知っていただきたいと思います.
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船上レポート8 11月24日(火)
Episode8:煮えた砂岩
浦本豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.
このレポートを読む前に,須藤さんの船上レポート6の写真3をご覧下さい.
須藤さんには,航海が始まってから何枚か写真を撮られていて,その中で,ウェリントンのローズガーデンで撮られた写真は確かに一番インパクトがあるな〜と思っていたのですが,船上レポートの写真として登場することになるとは思いませんでした.
個人的には「海の男」を目指して始まったはずの航海が,「バラと戯れる男」となって登場して方向性がだいぶ変わってしまいました.
いやはや,撮られた本人が一番びっくりです.
さて,,閑話休題しまして,掘削が始まって6日が経過しました.
掘削が始まったのが18日で,日本を出国してから15日が経過していたので,待ちに待った掘削の始まりでしたが,いざ掘削が始まると非常に慌しく,過去の乗船経験者の方から話は聞いていたのですが,体力的にも精神的にも想像以上に大変でした.
特に,今回の航海の場合は,掘削水深が浅いので掘削が始まってからすぐに最初のコアが上がってきて(写真1),当初は,続々とコアが上がってくるのに対して,記載やサンプリングが追いつかず,どうなることかと思いました.
ただ,昨日くらいから,上がってくるコアの岩相の変化がほとんどなくなり,また,全体的に作業の流れもつかめてきて,ラボの雰囲気は落ち着いています.
ところで,普段,私は陸上の露頭調査を基にした研究をしており,コアを扱った研究というのは初めてなので,掘削が始まってからは今まで見たことのないモノが見れ,驚きの毎日ですが,そんな中で今日は“煮えた砂岩”なるものが現れました.
写真2の右端の黒い物体が“煮えた砂岩”です.これは,掘削に伴う乱れの一種で,掘削の際にコアバレルをゆっくりと回転させながらコアを回収するために起こる現象だそうです(写真3).回転させているため,摩擦によって熱くなり,コアバレルの中の堆積物が焼けて,このようになってしまうことがあるようです.
また,黒くなっている部分以外も,臭いがかなりキツくて,コアを観察する台の周辺には異様な臭いが立ち込めました.間近で堆積物を観察しなければならない堆積学者にとっては試練の瞬間でしたね.
掘削作業は,今日で,最初のサイトでの掘削がほぼ終了しました.
今回の掘削サイトは主に大陸棚の掘削でしたが,次のサイトは大陸斜面の掘削になり,堆積物の特徴が違ってくるか,あるいは類似した堆積物が見られるか,今から楽しみです.
ただ,その前に最初のサイトのSite summaryをまとめなければならないので,まずは報告書のまとめを頑張ろうと思います.
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写真1 記載台の上に運ばれた最初のコア. この後、怒涛の勢いでコアが上がってきました. |
写真2 "煮えた砂岩" (右端の黒い物体) |
写真3 半割する前のコアの写真. コアは,最終的に写真1や2のように半分に分割されるのですが,半割前のコアを見ると, 斜めの縞模様ができています. 回転しながらコアが引き上げられたため,このような縞模様ができるそうです. |
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船上レポート番外編 11月23日(月)
船内では物は大切に
須藤 斎(名古屋大学)
11月23日
名古屋大の須藤です.
JR号では大量の食事が選び放題,食べ放題です.
(写真1)
JR号での肉はこのサイズが一人分です(ウソです).
これを経験するためだけでもIODPに参加する価値があります.
そして,ただ食べるだけでなく,食材を大いに利用して生活に潤いを出す為に研究者たちは日々努力をしています!
リユース(再利用)どころか,プレユース(先利用)です! 使いまわすなんてもう古い! 使う前から使っちゃいますよ,僕らは!
一例として紹介するのが写真2です!JR号では,お肉で野球をしています!
アメリカの船なのだから,野球をするのはたしなみです!!
今,JRシリーズが行われていて,チームJ(昼シフト)の23勝22敗です.
写真は8番ライトの須藤です.
研究なんてそっちのけで,強靭な体力を作るためにジムに通う毎日です!
シリーズを制覇するのは俺たちだ!!
すみません.今日の写真は懐かしの出航地,タウンズヴィルで行ったスーパーで見たお肉です. いや,あまりの大きさに感動して・・・つい書いてしまいました.
一度出港してしまえばもちろん物資の補給はできません.
ですので,食べ物にしても大切に食べなくてはいけません(みんな残してバンバン捨てていますが・・・)
何か物が壊れたら船内にあるものを工夫して自分たちで作ったり修理したりしなくてはいけません.
そのための機械工作をする方も乗っています.
あらゆる状況に対応できる,素晴らしい船と船員さんたちなのです.
そんな中,研究者たちも日々を工夫してがんばっているのです!
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写真1 JR号での1人分はこのサイズ? |
写真2 JRシリーズ開催中!? |
船上レポート7 11月20日(金)
Episode7:研究者の気分転換とは
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
掘削が始まって,本当に大忙しです.みなさん,順調に仕事が進んでいます!
本当に忙しそうです! 須藤もサンプルの処理やプレパラート作りに勤しんでいます!! まさに船上は戦場です!!! 背中を見せたら負けです!!!!
そんな中,みなさん,ちょっとした気分転換にいろいろなことをしています.
たとえば,ジムでトレーニング.毎日のお楽しみの食事.忙しい合間にこっそりと抜け出して食べるケーキたち.
単調になりがちな船内生活に少しでも変化と潤いを与えようと,研究者たちは研究をしている合間にも,いろいろと考えているのです.
これまでの船上リポートには,「階段の途中にみんなが飼っているペットの写真を貼って楽しんでいる」という報告がされていました(写真1).
本当にみんな可愛い犬を飼っていますね.
私もぜひ,仲間に入りたい!と思ったのですが,いかんせんペットを飼っていません.
そこで,仕事の合間に,写真2をこそこそと作成し,だれもいない時を見計らって貼っておきました.
え? ふざけ過ぎ? いや,同じことの繰り返しになりがちな船内に,一時の清涼剤を与えているだけですよ!
むふっ♪ と笑っていただければ須藤は本望ですよ!
このためにJRに乗ったっつ〜の!!
こんな心配りができるのも,研究者.
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写真1 壁に貼られているたくさんのペットたち. みんな、これを見てなごんでいるのでしょう. |
写真2 須藤はキングオブナッシングなので, 象を飼っています. |
船上レポート6 11月19日(木)
Episode6:縁の下の力持ち
須藤 斎(名古屋大学)
11月18日
名古屋大の須藤です.
今日はいよいよ朝から掘削が始まり,コアが上がってくるのを待っているところです.
が,昼に上がってくるはずが4時近くになってもまだ上がってきません.
やっぱり,掘削というのは大変なのですね.
さて,コアを掘るスタッフはもちろん,この航海の影の主役なのですが,他の人を紹介してみたいと思います.
それが,Imaging Specialistとして乗船しているBillおじさんです.
陽気な方です.いつも写真を撮っています(それが仕事だし).彼は掘削の様子の映像なども撮影しているのですが,われわれ微化石研究者が使う顕微鏡の調整なども受け持っています.
さすがにレンズを扱う仕事をしているだけあって,こっちが欲しい絵を引き出してくれます.プロ中のプロです.いろいろと教えていただく技術があって,勉強になります.
航海開始直後に全メンバーの写真を撮影してくれたのですが, みんなの笑顔を引き出して,とてもすてきな写真を撮ってくれました.
須藤にとっては,死んだらこれを葬式に使っていただきたい! というくらい3割増しの男前に撮ってくれました.
ということで,須藤も浦本君を題材に,Billに対抗してポートレートを撮影してみました.
少女マンガの一コマに使えるのではないかと会心の出来です!
こんな風に研究者たちは,新たに出会った人たちに刺激を受けて,さらに能力を高めているのです!
今日も明日も,学ぶことだらけなのです.研究には終わりがない,ということを改めて学んだのでした.
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写真1 カメラマンのBillおじさん |
写真2 Billさんの撮った研究者たちの写真 |
写真3 須藤が対抗して撮った浦本君. |
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船上レポート5 11月17日(火)
Episode5:二度目の出航,そして本番です!
浦本豪一郎(千葉大学)
17日午前9時半過ぎ,タグボートが船を引き,ゆっくりとJR号が動き出しました(写真1).
私たちの航海の二度目の出港です.
昨日,JR号はニュージーランド・ウェリントンに,給油のため寄港し,港内で停泊しました.
一日,時間があったので,研究者は各々,ウェリントン市内で羽を伸ばし,私も日本人研究者の方々と市内を歩いて,植物園に行ったり,日本食を食べるなどして過ごしました.
航海が始まってからだいぶ時間が経っているのですが,まだ本番が始まらないので,航海初心者の私は,何となく間延びした気分になっていましたが,気持ちのリセットができたように思います.
昨日はクック海峡(ニュージーランドの北島と南島の間の海峡)を通り抜ける風が非常に強く,時には歩くのも困難なくらいで,ウェリントン港内も白波が立っていました(写真2).
今日も風は吹いていますが,港内は非常に穏やかです(写真1).
先日のレポートでは,掘削時の気象条件が非常に限られるということを書きましたが,このように穏やかな天気であれば,掘削も上手くいく,と思え,自然と気合いも入ってきます!!
これから,JR号は最初の掘削地点であるCanterbury Basinの陸棚のサイトに向かい,明日からいよいよ本番の掘削が始まります.
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写真1 タグボートが船を引いて,動き出しました. |
写真2 11月16日のウェリントン港内. 白波が立っていて,風が強いことが分かります. |
船上レポート4 11月15日(日)
Episode4:研究航海終了で下船!!?
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
昨日,ミーティングの最中にクジラが現れました. 急きょ小休止をはさみ,みんなで海面を探しました.
8日に出航して,あっという間に船上生活が8日経ち,まだ掘削地点に向かっています.
といっても,掘削地点まで暇だから,研究室みたいに椅子を並べて寝ていたり,机にうっつぷして寝ていたり… なんてことはしていません!
毎日ちゃんと,船の上でのセミナーや,掘削後に始まる作業のシミュレーション,分析機器の調整や,複数の研究者間での研究方法の同一化を進めるなど,日々準備に勤しんでいるのです.ああ,なんて用意周到な人たちなのでしょう!
こうやって,最先端の地球科学者たちは毎日意見をぶつけ,切磋琢磨しあっているのです!
船酔いなんてもうとっくに克服しました(ウソです)
顕微鏡を見ている方が酔わないっつ〜くらいに仕事に勤しんでいます(ウソです)
毎日肉を1kg食べてもピンピンしているくらい元気です(ウソです)
ああ,なんて体の丈夫な人たちなんでしょう!
こうやって,研究に集中できる体を常に作るように心掛けているのです!
もう,準備万端です!
話は全く変わって,明日16日はなんと,陸に上がれる予定なのです.
目的はJR号の給油なのですが,1日かかるみたいです.ということは,陸に上がれちゃうんですよ!
お酒が飲める=!と喜んでいる研究者なんて一人もいません!(ウソです)
みんな,航海終了後の打ち上げパーティの練習をするために上陸するのです!
ああ,なんて用意周到な人たちなのでしょう!
みんな,自分のシフトを無視して街に練習をしに行く気満々です!
のために日夜ジムに通ってトレーニングに励んできました!
ああ,なんて体の丈夫な人たちなんでしょう!
もう,準備万端です!
ひっそりと,今日のミーティングでサイエンススタッフリーダーから, 「国に帰らないでね」って言われましたけど.
それもまた,練習です!
さぁ,航海が終わるぞ====!!!
えっ? まだ50日以上ある?
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写真1 海上にちょっとだけ姿を現した海生哺乳類 |
写真2 研究のためにたっぷりと食事をとって 体力をつける研究者 |
写真3 いつでも(研究から)避難できる準備を 周到に重ねる研究者 |
写真4 研究の準備を黙々と重ねる陸生哺乳類 |
船上レポート3 11月13日(金)
Episode3:シップツアー 〜Exp.317編 〜
浦本 豪一郎(千葉大学)
千葉大学の浦本です.私は堆積学者として乗船しており,回収された堆積物の特徴を観察・記載する仕事を担当します.
オーストラリアからニュージーランドへのトランジットも半ばを迎え,ようやく船の揺れにも慣れてきました.
今日は,昨日と一昨日行われたシップツアーの紹介をします.シップツアーは毎回の航海で行われると思いますが,今回は,船内各所を見学し,私たちの航海の“特殊な点”について,いくつかお話を聞けたので,レポートしたいと思います.
1. Narrow weather window
IODPは,日本語の名称が「統合国際深海掘削計画」となっていることから明らかなように,深海掘削を行うのが大きな目的となっています.そのため,船の各種設備から,私たち堆積学者が使う堆積物記載用紙「Barrel sheet」に至るまで,“深海仕様”となっています.
しかし,私たちのExp. 317では,主な掘削対象が大陸棚で,最も浅い掘削サイトでは水深約100mという“浅海”で掘削を行います.海底の掘削は船から先端に掘削ビットのついたコアバレルを下ろして行われますが,水深が浅いと,船から海底までの距離が短いですから,わずかな船の揺れ(たった数m!)でコアバレルが破損してしまう可能性があります.そのため,掘削可能な気象条件が非常に限られており(これを英語ではnarrow weather windowと表現するそうです),天気の変化には最大限,気を配って掘削を行わなければなりません.
2. Sand is tough!!
また,大陸棚の現世堆積物を掘削するため,掘削対象となる堆積物が未固結砂の可能性も考えられます.未固結砂の掘削はODP時代のLeg 174 ニュージャージー沖掘削の教訓でもあるのですが,未固結のため,コアバレルを引き上げる際に,堆積物が抜け落ちてしまい,回収が困難となる可能性があり,未固結の砂というのはコアの回収においては厄介な存在なのです(そのため,軟弱な未固結の砂がtoughなのです).この対応として,表層に粗粒な堆積物の存在が想定される場合,こうした堆積物の部分はコアを回収せず,より深部から掘削を開始するなどの対策が考えられています.
このように,私たちの航海における掘削には制約が多く,様々な対策を考えなければなりません.ただ,今回の航海は,掘削前のトランジットが約10日間とやや長いので,毎日,セミナーが開催され,オブザーバーとしてニュージーランドから参加しているGreg Browne博士やMartin Crundwell博士から地域地質のお話を,掘削地点の周辺海域で行われたODP Leg181に乗船されたRobert Carter教授の経験談を聞き,また連日のミーティングでは,サンプリングやポストクルーズの研究計画について綿密な話し合いが行われています.
掘削開始まであと5日.当初は,船の揺れで船酔いに苦しんでいた研究者(筆者も含めて)もいましたが,皆元気に,掘削に備えています.
※写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
写真1 ブリッジでは船長から スラスター(船を定点に保持するための装置)の 説明を聞きました. |
写真2 コアバレルの先端部の部品の数々. |
写真3 コアバレルの倉庫. |
写真4 やぐらの下.掘削が始まる前で,非常に静かです. |
船上レポート2 11月11日(水)
Episode2:コック vs 研究者 海上の壮絶なる闘い
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大学の須藤です。
これまでの船上レポートを拝見していますと,みなさん,デザートや食事が豪華でたくさんあって,太らないように気をつけないと!というお話をたくさん書かれています.
なので,ちょっと逆説的なお話をしていきたいと思います.
船の中ではジョイデス号オリジナルグッズを購入することができます.
今日,注文したフリースが渡されました.早速着てみると,ものすごく大きい...そでが長すぎます.肩幅がでかすぎます...これでも男性用の一番小さいサイズ.アメリカ人の基準では僕らはついていけません.(というわけで,僕は女性用の小さいサイズに変えてもらうように頼みました)
そこで,前向きにこの巨大サイズを活用する方法を考えました. 下船までに体を合わせればいいんだ♪ というわけで,理想は食べて食べて食べまくる!デザートはしっかり3食につける!これが本当のジョイデススタイルです.
ウソです.僕にはとても無理です.食事量が多すぎます.大体,今,僕は船酔いで苦しんでいて,はっきりいって食事をする気力すらあまりありません.残して,残飯を捨てるなんて,もったいなくてできません.大体,船酔いで吐きそうだっつ〜の!
でも,そんな僕の気持ちを知ってか知らずか,コックさんはたくさん皿に食べ物をのせてくれます.
このままでは,いかん.そこで,こんな作戦を実行しています.最初に皿にサラダとかをのせて,コックさんたちが沢山のせるスペースを殺します.
コックさん「お前,ちょっと痩せすぎだよ!しっかり太らせて帰らせるからな〜!ぐへへへへっ!」 という彼らの挑戦を真っ向から受けていたら,確実に体を壊します.
毎日,食事を食べるときは
須藤「お前らのたくらみには負けん!」と頑張っているのです.
こんな闘いが日夜,海の上で繰り広げられていることを陸上の皆さんにもしっかりと覚えておいていただきたい!
ところで,乗っている外国人の研究者を観察していると,朝からステーキを食べている人もいます.
こうやって,船の中の環境(僕にとっては非常に寒いのですが)に耐えられる体,つまり,半袖半ズボンで生活できる体を作っているのです!
トイレにもその証拠の写真が貼ってあります.
寒さに耐えられる体を作れば,服の面積が小さくて済み(それすなわち材料費がかからない),かつ,洗濯もあっという間にすむ(それすなわち,洗濯代が安くて済む)なんてエコなんでしょう.
飽食とエコ,この相反するテーマを食堂とトイレで考えさせられた須藤なのでした.
※写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
写真1 渡されたフリース. |
写真2 いかにもハイカロリーなメニューの数々. |
写真3 トイレに貼られていた温暖化を前向きに考えるための図. |
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船上レポート1 11月7日(土)
Episode1:窓をあける
須藤 斎(名古屋大学)
名古屋大の須藤です.
今回の掘削には珪藻化石を使った微化石生層序による年代決定というお仕事をするために参加しました.
無事,11月5日にジョイデス・レゾリューション号(JR号)に乗船をしましたが,出航は明日8日の早朝を予定しており,ミーティングや船内見学などをして過ごしています.
掘削地点への到着は17日あたりを予定しているそうで,まだ研究者の皆さんもリラックス,というかなんか手持無沙汰で暇そうにしています.
僕も何をしていいのかわからず,とりあえず船内をうろうろと探検しているのですが,気がついたことがあります.
当然,JR号は非常に大きな船ですので,たくさんの窓があります.僕らが寝泊まりしている部屋には窓が無いので時間の感覚がおかしくなりそうなのですが,実験室であったり,食堂であったり,いたるところにいろいろな形の窓があります.
今回お見せする写真はその窓を撮ったものです.
JR号に乗船したことのある方はどこの窓かわかりますか?
この船は海底の堆積物を掘削,採集する船です.そのため,船のお腹の部分にはムーンプールと呼ばれる大きな穴が開いています.掘削も海底に穴を掘っていく作業です.
窓や穴の向こうには,広大な景色(海面であったり,海底であったり)が見えます.
僕らの掘削航海でも新しい景色・新しい発見が見えるのだろうか?
船の窓を見ていてそんな風に感じたのでした.
※写真をクリックすると大きな画像を見ることができます。
写真1 いざ、乗船! |
写真2 船内の窓から. |
追加乗船研究者募集は締め切りました
募集分野
1)Sedimentologist
2)Micropaleontologist (Radiolaria)
3)Paleomagnetist
募集〆切
2009年6月2日(火)
航海概要
期間:2009年11月4日〜2010年1月4日(予定)
掘削船:JOIDES Resolution (USIO)
掘削海域:ニュージーランド沖
詳細:
この航海の科学目的(Scientific Prospectus)>> こちら
USIOのページ>> こちら
応募する>>こちら
その他・注意事項
乗船支援について>> こちら
乗船研究者のためのガイドライン>> こちら
※応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
※修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。
追加乗船研究者募集は締め切りました
募集分野(下記いずれかの分野より2名)
古地磁気
地球化学(間隙水計測の経験があること)
珪藻化石
募集〆切
2009年2月18日(水)
詳細PDF>>こちら
応募する>>こちら
その他・注意事項
応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。
航海以外での会合など
プレクルーズミーティング





