Exp.376 Brothers Arc Flux

航海概要

航海概要

テーマ

Brothers Arc Flux

関連ドキュメント

航海予定期間

2018年5月5日~2018年7月5日

掘削船

JOIDES Resolution

乗船/下船地

Auckland to Auckland, New Zealand

掘削地点

掘削地点

科学目的

Expedition 376 will investigate the fundamental, interrelated processes governing subseafloor hydrothermal activity at Brothers volcano, southern Kermadec arc (IODP proposal 818-Full2). The primary objectives are to (1) Characterize the subsurface, magma-derived volatile phase for testing models predicting the existence of either a single-phase gas or a two-phase brine-vapor; (2) Explore the distribution of base and precious metals and metalloids at depth as well as the reactions that have taken place during their precipitation along fluid migration pathways to the seafloor; (3) Quantify the mechanisms and extent of fluid-rock interaction, and what this implies for the mass flux of metals and metalloids to the ocean as well as the role of magma-derived carbon and sulfur species in acting as agents for those fluxes; and (4) Assess the diversity, extent, and metabolic pathways of microbial life in an extreme, acidic, and metal-toxic (sub)volcanic environment.

The ultimate scientific goal of Expedition 376 is to discover the key processes that distinguish submarine arc-hosted hydrothermal systems from those linked to spreading centers, which results from the flux of magmatic fluid commonly being much higher in volcanic arcs. As a consequence of their shallow water depths and high volatile contents, the magmatic-hydrothermal arc signature gives rise to different fluid compositions and thus mineralization compared to submarine extensional settings. This likely also has consequences for the associated biota. Additionally, given the very acidic fluids and high metal concentrations, submarine arc hydrothermal systems are thought to be important analogs to porphyry copper, epithermal gold, and various volcanic rock-hosted massive sulfide deposits mined on land. Drilling Brothers volcano will provide essential information for understanding the formation of those mineral deposits and will also reconstruct the volcanic stratigraphy of this arc volcano.

Operations will focus on discharge zones of geochemically distinct fluids in and around the caldera of Brothers volcano by drilling and logging to 100s of m. The drill sites show variable impact of magmatic volatiles, which will enable the expedition to directly study the implications of magma degassing for the transport of metals to the seafloor and how this affects the functioning of microbial life.

JRSOのページ>>こちら

共同首席研究者

Cornel de Ronde and Susan Humphris

J-DESCからの乗船研究者
氏名 所属 役職 乗船中の役割
高井 研 JAMSTEC 分野長 Microbiologist
野崎達生 JAMSTEC グループリーダー代理 Sulfide Petrologist
Iona McIntosh JAMSTEC ポスドク研究員 Petrophysics (Physical Properties) Specialist

乗船に関わるサポート情報

乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。

  1. プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
  2. 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
  3. アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
  4. 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費

乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら

お問い合わせ

J-DESCサポート

海洋研究開発機構 横浜研究所内

E-mail: infoの後に@j-desc.org

Tel: 045-778-5703

募集情報

募集情報

募集分野
  • Sedimentologists
  • Petrologists (igneous/metamorphic/sulfide)
  • Structural geologists
  • Paleomagnetists
  • Petrophysicists
  • Borehole geophysicists
  • Microbiologists
  • Inorganic/organic geochemists

応募>>こちら

応募用紙の記入方法>>こちら

募集〆切

2017年4月1日(土)締め切りました

Information Webinar

To learn more about the scientific objectives of this expedition and the technical plans, please join a web-based seminar on Wednesday, 15 March 2017 at 1:00 pm EDT (日本時間:3月16日 午前2時 ).
To participate in the webinar, you need access to the Internet and a computer with a speaker and microphone (optional). To register, click the following link: Exp 376 webinar.

注意事項

応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。

修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。

船上レポート

最終更新日:2018年6月7日
※日付は日本時間

レポートインデックス

レポート1(2018年5月15日)>>出航して約1週間
レポート2(2018年6月6日)>>日本の野崎達生から世界のTATSUO NOZAKI へ

日本の野崎達生から世界のTATSUO NOZAKI へ

2018年6月6日
高井 研(海洋研究開発機構 分野長)

J-DESCのホームページをご覧の78億人の皆様。IODP376次航海に乗船中のJAMSTECの高井です。私は普段、広報&アウトリーチ関係の仕事をたくさん引き受けているため、せっかく日々の業務から解放されるジョイデスレゾリューション(JR)号乗船中(個人的にはムショ暮らしと呼んでいる)くらい、研究(休暇)に集中させろや!ということで、「J-DESCレポートを書いて下さい!」というJ-DESC担当女史のお願いは完全無視を決め込んでいるのですが、ジャーナリストとしての血が騒ぐ現場に遭遇しましたので、急遽、現場から全世界の皆様にお伝えします。

さてさて、IODP376次航海ではブラザー海山の深海熱水地帯をズンズン掘削しているわけですが、ここ1週間は「微生物屋や流体化学屋にはクソ面白くない・役に立たないはず」のRCB(ロータリーコアバレル)が快調に働き、まるで「荒縄を持ったスタン・ハンセンが後楽園ホールの花道に群がる新日ファンをバシバシしばきながら押しのけて進む」かのように退屈な熱水変質帯を掘り進んでいます。現在海底下360mまで到達しましたが、まだカリカリの珪化帯のみで巨大な金属硫化物層や金鉱脈は出現しません。結構汎用品で安もんのRCBを使っているJR号ではビットをカリカリさせている時間が40時間を超えるとビット交換をします。そのビット交換と温度計測+カスター採水器+自然γ線計測のセットメニューをこなす間は、カツオ(採取されたコアの比喩)が揚がってこないので、普段プロレタリアート文学の「蟹工船」に描かれた労働者のように働かされている研究者、特に今回はコア記載グループと呼ばれる岩石屋+構造地質屋+変質岩石屋達、につかの間の休息が訪れるのです。コア記載グループの「エース」と呼ばれているのが、我がJAMSTECの誇る「21世紀最後の鉱床学者」=野崎達生博士であり、その選ばれしエリートとしての気品と知性を存分に発揮して並み居る乗船研究者の信頼と尊敬を集めています。ただ私は彼が半裁コアをマルチセンサーコアロガー(MSCL)という機械で分析するためにティッシュで綺麗にコロコロの石を整列させている姿しか見ていないので、「空間ディスプレイデザイナー」というナウいカタカナ職業風に揶揄しておりますが。が。が。

そもそも何を書きたかったのか忘れそうになりましたが、このわずかな休息に企画されたのが、このブログでよく紹介されていそうであまり紹介されていないJR号の恒例行事。これを紹介するのが今日の本題です。その名もハンプ・デイ・パーティ(hump day party)。ハンプというのはヒトコブラクダのコブを指しているようです。フタコブラクダの場合はどうなんだ?と質問が出ることは火を見るより明らかですが、インターネット環境の良くない我々に調べさせるぐらいなら、そっちで勝手にggrks。まあとにかく、「航海も半分を過ぎましたよ、イエーイ(YAP!)」というパーティです。今回の航海は、航海中に「サラダ記念日」以外、全くなんの記念日もなくて、おそらく唯一の公認パーティ(前回のIODP366次航海は、クリスマス、正月、旧正月と記念日が多かったし、共同首席研究者も明るかったし、EPMも洒落者だったし、研究者やテクニシャンにも芸達者な人達が多かったし、それに比べて今回のメンツはまじめ&ジミ〜)。

なので、わざわざ(JAMSTEC布浦拓郎氏が自身の趣味で)ドンキホーテで購入して研究チームの航海用具として寄贈したコスチューム、ニュージーランドのカスタムで冷汗をかいてまで通過して持参したコスチューム(の一番おとなしいヤツ)、を登場させました。

それではみなさん。ご注目下さい。物性計測担当のカニカがセレクトした黒人ヒップポップ系のサウンドでノリノリに踊り狂うTATSUO NOZAKIの姿を!「タツオハクレイジーダゼ」と世界に言わしめた白鳥の湖のプリマドンナを!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選ばれしエリートとしての気品と知性によって日本の研究者の信頼と尊敬を集めているJAMSTECの野崎達生博士がこの日、各国の研究者から「あのエリートのタツオがこんなスチューピッドなことができるなんて...、さすが二刀流の日本人!」と賞賛を集め、日本の野崎達生から世界のTATSUO NOZAKIへと生まれ変わったことは言うまでもありません。

以上、現場からJAMSTECの高井がお届けしました。

レポート1:出航して約1週間

2018年5月15日
野崎達生(海洋研究開発機構 グループリーダー代理)

2018年5月9日 (水) 8時半に、Joides Resolution号はニュージーランド・オークランド港を出港しました。IODP Expedition 376航海の開始です!現在は、パイロットホールであるHole U1527Aの掘削・コアリングが終わり、次のHole U1527Bでのケーシングパイプを敷設しているところです。

今航海は、出港地のオークランドから調査地のBrother Arc Calderaまでわずか1日で着いてしまう距離なので、研究者は5月6日 (日) に乗船した後に、船上生活全般や安全に関する講習、ラボの説明や様々な機器のトレーニングを受けました。居室のトイレが隣の居室と繋がっていて4人で共用するシステムには驚きましたが、食堂・ラボ・娯楽室・ジムなど施設は十分に揃っていて快適です。また、出港までは毎日乗船者でオークランドの街に繰り出し、オークランドの夜を楽しく過ごしました。

出港地オークランドの夜景

オークランドに停泊中のJR

乗船して種々のトレーニングを受けた後は、早速皆で議論を重ねて、どのように掘削コア試料を記載 (試料の産状・素性を詳しく観察・記録していく作業) していくかを議論していきます。今回、私はSulfide Petrologist (硫化物岩石学者) という役割で乗船しており、構造地質・火山岩・熱水変質などを記載するVisual Core Descriptionのグループで作業をしています。コア試料を記載する際には、鉱物のサイズとは何か?変質の組織とは何か?硫化鉱物の組織とは何か?そして、1つ1つの学術用語の意味は何か?ということを『延々と』議論します。これは、コアを記載する人間が共通の意識と基準に基づいて作業するのに必須の工程なのですが、普段の研究では人によって基準 (と好み?) が少しずつ異なります。なので、ある用語を記載に使うためのコンセンサスを十分に築いておく必要があるのですが、そのために何度も何度も何度も議論を重ねます。そして、採取されたコア試料によってさらに修正を重ねて記載作業を進めています。まだこの航海は始まったばかりですが、ボトムアップの議論に基づく意思決定のプロセスに、とても新鮮さを覚えました。

出港時のGroup photo

今航海の目的は海底熱水鉱床の深部まで掘削し、島弧の火山ガスが熱水にどのような影響を与えているか、揮発性元素の移動を観察するのが一番重要な目的です。Joides Resolution号で海底熱水鉱床を掘削するのは、ODP Leg 193航海以来の18年ぶり!何が起こるか予想も付きません。残念ながらパイロットホールのコア回収率は低調でしたが、研究者は皆、これから上がってくるであろう予想もせぬコア試料を心待ちにしています!!

Moon poolからHole U1527BにRe-entry coneを下ろす所

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