Exp. 361 Southern African Climates船上レポート

最終更新日:2016年3月25日
※日付は日本時間

レポートインデックス

レポート5(2016年3月25日)>>ユートピア
レポート4(2016年3月22日)>>船内生活の楽しみ(余暇と食事!?)
レポート3(2016年3月11日)>>サイト1476 モザンビ­ーク海峡
レポート2(2016年3月7日)>>トランジット中の一大作業
レポート1(2016年2月22日)>>最後のバカンス?!

 

レポート5 ユートピア

山根 雅子
(海洋研究開発機構 ポストドクトラル研究員)

前回IODP航海(2010年のExp.318 Wilkes Land)に参加した後、様々な人から航海やJR号の感想を聞かれ、純粋無垢な学生だった著者は決まって“ユートピアだった”と、心の底から答えていました。あれから6年経過し、多少は世間の荒波にもまれた著者は二度目のIODP航海に何を思うのか…。

やはりここはユートピアです。食堂のショーケースの中に、毎日違うケーキが並んでいます。他にも、ドーナツやソフトクリーム、毎週土曜恒例のフォンダンショコラなど、前回航海時より、スイーツの質と量が格段に上がっています。本航海の個人的達成目標の一つに、体重管理をしっかり行うがあるので、これはかなりの強敵です。今のところ、一日にスイーツは一つまでという掟で頑張っております(ただし、特別な理由がある日は撤廃!)。

JR号ケーキコレクション2016冬

JR号ケーキコレクション2016冬

そんな甘い誘惑と日夜戦いを繰り広げている著者ですが、当然、仕事もきちんとこなしています。前回航海と同じく、Sedimentologistとしての乗船で、主にスミアスライド観察担当です。スミアスライドで決定する岩相名は、コアの最も基本的な情報の一つになるので、適度な責任感を感じつつ仕事をしています。また、他の乗船研究者とディスカッションしたり、今後の研究のアイディアを膨らませたりと、充実した研究生活も送っています。

衣食住の心配なく研究にひたすら没頭できる環境、様々な人たちとの貴重な出会い、色とりどりのスイーツ達。そして窓の外を見れば、青い空に、蒼い海。本航海後、もし感想を聞かれることがあれば、著者はこう答えます。“やっぱりユートピアだった”。

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レポート4 船内生活の楽しみ(余暇と食事!?)

窪田 薫
(Sedimentologist/東京大学 大気海洋研究所 特任研究員)

今回は船内生活について紹介します。IODPでは、出港後乗船研究者・船内スタッフともに昼・夜シフトに分かれます。研究者の場合、12:00〜24:00の昼シフトと、0:00〜12:00の夜シフトとに分かれ、24時間体制で堆積物コアの処理・実験を行います。毎日12:00・24:00からCross Overミーティングが行われ、それまでのシフトで見つかった新たな発見や注意事項が次のシフトへと引き継がれます。昼・夜シフトは堆積物掘削中だけでなく船の移動(トランジット)中も有効で、シフト中はベッドのある船室(キャビン)に戻ることは許されていません。私は今回夜シフトに配置されており、15時就寝・23時起床という生活を送っています。そのため、もう1ヶ月半以上も夕日にお目にかかっていません(代わりに朝日を迎えることができますが)。シフト後、就寝までの1〜2時間は自分の余暇に使えます。ある人はインターネットルーム(通称ダンジョン)で家族とテレビ電話(Zoom)を楽しんだり、ある人はムービールームで映画を観たり、またある人はジムで汗を流したりと、余暇の楽しみ方は人それぞれです。1日に12時間、しかも2ヶ月間ほぼ途切れることなく同じ人達と一緒に過ごしているので、一人の時間というのは大変貴重に感じます。

ジョイデス・レゾリューション号では0:00・6:00・12:00・18:00に食事が用意されます。この時間の前後1時間以内に食堂に行く必要がありますが、各種軽食(パン・シリアル・サラダバー・焼き菓子・ソフトクリーム)が食堂に常備されているため、いつでも食事がとれる環境が整っています。各食事の間には皆でコーヒーブレイクをとることが多く(夜シフトの場合、3:00と9:00の2回)、食堂で10分程度歓談したり、外のベンチで風に当たったりしています。食事は肉料理(牛・豚・鳥・羊)、魚料理(サーモン・タラ)、野菜料理(トマト・大根・人参・ズッキーニ・ナス・玉ねぎ・グリーンピース・サラダ)、麺料理(パスタ・ヌードル・ラザニア)、米料理(カレー・ピラフ・粥)、スープ(中華・コンソメ・シチュー)・デザート(フォンダン・チュロス・ケーキ・タルト)がバランス良く出されます。食べたいものを選択でき、量・バランスは自分で調整しなければなりません。船内では1日1,000歩も歩かないので、食べ過ぎには常に注意が必要です!今回、食事の量にはかなり気をつけましたが、果たして結果やいかに?

食べ過ぎに注意!

食べ過ぎに注意!

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レポート3 サイト1476 モザンビーク海峡

フランシスコ J. ヒメネス-エスペホ
Francisco J. Jimenez-Espejo (海洋研究開発機構 研究員・博士)

Onboard we work separated in different 12 hour shifts in order to keep the ship operating 24 hours a day. When working hard for such a long time, it is important to make an effort to relax your mind and to alleviate stress. Living onboard is especially challenging when you have small children who miss you, and we miss a lot of important events occurring when you are at sea. During this expedition we will miss cherry blossom in Japan (桜) and last month our Chinese colleagues missed the Chinese New Year. In order to keep the atmosphere upbeat and to ease the feeling of being homesick, the Japanese team (山根 雅子, 窪田 薫, and myself) decided to make and perform an “Chinese Dragon” choreography.

These kind of initiatives are always welcome onboard, and technicians helped us to find materials and paints that are necessary for the construction of our entertainment project. After finishing our working shift, we prepared making the Dragon and trained three movements: “波” (wave), “蛇” (snake) and “猫” (cat). We created a gimmick that allows opening and closing Dragon´s mouth and we included a hidden bag filled with candies.

Performance of the Dragon

Performance of the Dragon

The planning of the performance was kept secret, and during a meeting the Dragon suddenly appeared to the surprise of the entire science party and many crews.  We could not see how our movements look like from the outside, but everybody said that we were well coordinated. Candies were thrown from the Dragon´s mouth and flew over the heads of the seated onlookers but nobody was injured. During the ten minutes everybody laughed and the atmosphere was very relaxed.

Is nice to work and laugh together, we benefit from any ideas and opportunities that promote harmony and relieve tension onboard.

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レポート2 トランジット中の一大作業

山根 雅子
(海洋研究開発機構 ポストドクトラル研究員)

サイト(掘削地点)から別のサイトへのトランジットの間、乗船研究者達は束の間の休日を楽しみます。卓球やポケットプール(ビリヤードのような遊戯)などの船内アクティビティに興じるのも良し、インド洋の心地良い風を浴びながらデッキでのお昼寝という極上の贅沢に浸るのも良し…というのは願望です。我々には、一大作業であるサイトプレゼンテーションとサイトレポートの作成が待っています。

終了したサイトで得られたコアの船上解析・分析結果を、グループごとに発表したり、レポートとしてまとめたりします。ちなみに、作成したサイトレポートは、航海終了後にプロシーディングスという形で出版されます。我々Sedimentologistは、肉眼記載およびスミアスライドによる堆積物の巨視的・微視的観察結果から、コアをユニット分けし、それぞれの特徴およびその堆積環境の考察を行います。Sedimentologistは一番の大所帯(今回は8人)なので、これらの作業を分担して行うことが出来ますが、数人だけのグループは見るからに大変そうです。この一連の作業は、サイトが終わるごとに、繰り返し行われます。

サイトレポートと奮闘するSedimentologistの面々

サイトレポートと奮闘するSedimentologistの面々

通常は、一連の作業が概ね終わる頃に、次のサイトに到着するので、乗船研究者に休日などありません。トランジットが極端に短い場合は、前サイトのレポート作成と、新サイトのコアの解析・分析を同時並行で行うことになり、願望を抱く余裕すらありません。まさに、コアに追われる日々です。しかし、我々の研究はコア(研究試料)があってこそのものなので、これは嬉しい悲鳴なのかも知れません。

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レポート1 最後のバカンス?!

窪田 薫
(Sedimentologist/東京大学 大気海洋研究所 特任研究員)

 1/30に羽田空港を発った私、山根雅子さん、フランシス・ホセ・ヒメネス-エスペホさんの3人は、ドバイ経由でモーリシャスに到着しました。ドバイでは3時間ほど時間が余ったため、空港のロビーで簡単な食事をすることもできました。モーリシャスの空港に到着後、タクシーで30分ほどかけてジョイデス・レゾリューション号(JR)の待つポート・ルイスに向かいました。モーリシャスの道路は日本と同じ左側通行のため、たいへん親近感を覚えました。ホテルに到着したのは現地時間1/30の夕方6時頃。ホテルは海沿いに建てられており、たいへん眺めの良いテラスを備えていました。そこで振る舞われたウェルカム・ドリンクと夕日に映えるJRのライトが旅の疲れを癒してくれました。


1/31の朝、ロビーで第361次航海の乗船研究者と挨拶を交わし、バスでJRへ。直線距離ではホテルとJRとは目と鼻の先ですが、迂回しなければたどり着けないようになっていました(徒歩だと15分ほど)。この日から船内での生活がスタートし、最初の数日間は船内生活の心得、 JRで使用するシステムの操作法、今後のスケジュールなどが案内されました。食事も船内で摂ることが可能になりましたが、ほとんどの人が夕飯の際には街に繰り出していました。日本と比べると土産屋や飲食店の閉まる時間が早い印象を受けました。出航準備に5日要したため、ほぼ毎日のように街に出ては、夕食を済ませたり嗜好品(お菓子やコーヒーなど)を買ったりしました。出航直前のとある1日には午後がすべて自由時間となったため、皆でタクシーに分乗してビーチまで遠出し、乗船前の最後のバカンス気分を味わいました。また、ちょうど海洋研究開発機構の「よこすか」もポート・ルイスに停泊しており、日本人乗船研究者とも挨拶を交わすことができました。日本からはるか遠くインド洋で日本人に会えるというのは、なんだか不思議ですが、それだけインド洋が重要な研究対象地であり、ポート・ルイスが重要な停泊地である、ということなのでしょうね。

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