Exp. 364 Chicxulub Impact Crater

航海概要

航海概要

テーマ

Chicxulub Impact Crater

プロポーザル#548-Full3>>こちら(フルバージョン)
プロポーザル#548-Add4>>こちら(フルバージョン)
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実施予定期間

Offshore phase: 2016年4月1日~ 5月31日
Onshore Science Party (OSP): 2016年9月21日~10月15日@Bremen
※OSPへの参加が必須となります(Offshore phaseに参加するのは一部の研究者となります)。

掘削船

Mission Specific Platform

乗船/下船地

Progreso, Mexico  /  Progreso, Mexico

掘削地点

 

364map

科学目的

IODP Expedition 364, based on IODP Proposal 548-Full3 and Addendum 548-Add4, will address several questions related to large impact crater formation on Earth and other planets, and the effects of large impacts on the Earth’s environment and ecology. The expedition target is the unique Chicxulub impact crater, Mexico, which is the only known terrestrial impact structure that has been directly linked to a mass extinction event (the K-Pg mass extinction). Of the three largest impact structures on Earth it is the best-preserved, and is the only terrestrial crater with a global ejecta layer. Additionally, it is the only known terrestrial impact structure with an unequivocal topographic “peak ring.”

This expedition aims to drill and core into the Chicxulub impact structure to recover cores from, and above, the peak ring. In doing so, the expedition aims to address several questions, including: 1) what rocks comprise a topographic peak ring and how are peak rings formed; 2) how are rocks weakened during large impacts to allow them to collapse and form relatively wide, flat craters; 3) what caused the environmental changes that led to a mass extinction and what insights arise from biologic recovery in the Paleogene; and 4) what effect does a large impact have on the deep subsurface biosphere and can impacts generate habitats for chemosynthetic life?

The expedition will drill and core a single 1500 m deep borehole at site about 30km northwest of Progreso, Mexico, on the Yucatan shelf, Gulf of Mexico.

掘削サイト

Primary Site: Chicx-03A.
Objectives:

  1. Constrain the formational processes and lithology of peak ring;
  2. Investigate the deep biosphere;
  3. Investigate post-impact recovery;
  4. Sample the PETM.

Alternate Sites: .Chicx-02A and Chicx-04A.

ESOのページ>>こちら

共同首席研究者

Joanna Morgan and Sean Gulick

J-DESCからの乗船研究者

Inorganic Geochemist​

氏名 所属 役職 乗船中の役割
後藤和久 東北大学 准教授 Sedimentologist
佐藤峰南 海洋研究開発機構 JSPS特別研究員 Inorganic Geochemist
富岡尚敬 海洋研究開発機構 主任技術研究員 Petrologist
山口耕生 東邦大学 准教授 Inorganic Geochemist

乗船に関わるサポート情報

乗船研究者としてIOから招聘される方には乗船前から乗船後に至る過程の数年間に様々なサポートを行っています。主な項目は以下の通りです。

  1. プレクルーズトレーニング:乗船前の戦略会議やスキルアップトレーニング
  2. 乗船旅費:乗下船に関わる旅費支援
  3. アフタークルーズワーク:モラトリアム期間中の分析
  4. 乗船後研究:下船後最長3年で行う研究の研究費

乗船の手引き(乗船前準備や船上作業・生活方法に関する経験者からのアドバイス集)>>こちら

募集情報(終了)

募集情報

募集分野
  • paleontology
  • sedimentology
  • microbiology
  • organic geochemistry
  • inorganic geochemistry
  • structural geology
  • impact petrology
  • metamorphic petrology
  • paleomagnetics
  • physical properties
  • geophysics
  • petrophysics/downhole logging
  • この他関連する分野

応募方法>>こちら
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募集〆切

2015年5月8日(金)
2015年5月18日(月)※延長しました

終了しました

注意事項

応募する方は全員英文CV、さらに在学中の場合は指導教員の推薦書が必要となります。
修士課程の大学院生の場合は乗船中の指導者(指導教員もしくは代理となる者)が必要です。

Onshore Science Partyレポート

最終更新日:2016年10月13日
※日付は日本時間

レポートインデックス

レポート7(2016年10月12日)>>データ報告会が開催!

レポート6(2016年10月11日)>>Geochemistの1日。データはまだか!

レポート5(2016年10月6日)>>後半戦に突入(どこまでも続く花崗岩)

レポート4(2016年10月5日)>>グラニット、ときどきドレライト

レポート3(2016年10月2日)>>とうとう大陸地殻に突入!!

レポート2(2016年9月29日)>>いよいよ恐竜絶滅の時代へ

レポート1(2016年9月26日)>>Exp. 364のオンショアサイエンスパーティが始まりました

 

レポート7 データ報告会が開催!

山口 耕生
(東邦大学 准教授)

全国1億2千7百万人のIODPファンの皆様、お待たせ致しました。またまた山口がブログの更新をします。担当は3回目です。

OSPも早いもので終盤です。コア処理もほぼ終わりです。分析担当のGeochemistry班は、まだ数日、仕事が続きますが。この充実した日々も終わりかと思うと、ややさみしいです。

そんな中、中間発表会とでもいいましょうか、半日を使って各グループが研究成果を報告する会が、この日曜日に開催されました。Biostratigraphy, Physical Properties, Paleomagtenism, Visual Core Description, そして自分の所属するGeochemistryと、各グループ30分ほどの発表です。

自分は、Geochemistryグループで、XRFによる主要・微量元素分析と有機炭素の分析の報告をしました(なかなか、面白い結果が出ました)。VCDグループの東北大の後藤さんも、発表を担当されていました。お互い、発表することが決まったのが報告会の1〜2日前だったので、科研費申請書の執筆をうっちゃって、取り組みました。

Geochemistryの研究では、計画立案・資金獲得・試料採取・化学分析・機器分析・結果考察、再度分析、論文執筆、学会発表、といろいろなフェイズがありますが、この「結果考察」の段階が大好きです。

あーでもないこーでもないと試行錯誤・孤軍奮闘・七転八倒・前後不覚・疑心暗鬼・睡眠不足・罵詈雑言・暴飲暴食・血圧異常・体重漸増・胃酸過多・満身創痍・空中浮遊・支離滅裂・言語道断・驚天動地・阿鼻叫喚・五里霧中・曖昧模糊・暗中模索する中で(隕石衝突を扱うので、天変地異を入れてもいいですが)、仮説を立てては打ちのめされますが、臥薪嘗胆・捲土重来の心意気で、いつかは訪れる一寸の光(と信じるもの)が見える瞬間。アドレナリン大放出です。

発表が終わった夜は、OSP参加者ほぼ全員でディナー。本場のビールのおいしいことと言ったら。皆様、ビールがおいしくてすみません。ちなみにワインもおいしいです。

「おかわりの 酒がうまいぜ プレゼン後」

これも”OSP”です。五七五にしてみました。

お後がよろしいようで。

報告会会場の様子

このような会場で、フレンドリーな雰囲気の中、報告会が開催されました。生データの披露で、ある程度完成された内容の学会発表と違い、荒削りであるからこそ、楽しめる部分がありました。

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レポート6 Geochemistの1日。データはまだか!

佐藤 峰南
(海洋研究開発機構 JSPS特別研究員)

今日はJAMSTEC横須賀研の佐藤より初レポートです。9月20日のアイスブレークを皮切りに始まったOSP in Bremen。ここMARUMでの生活も気づけば3週間近くが経ち、10月に入ったとたん急に冷え込むようになりました。さて、今回はちょっと存在感の薄い(?)我がGeochemistryチームの1日をご紹介します。

OSPでは参加者らそれぞれの専門知識を集結させて掘削試料の情報を蓄積させていきますが、Geochemistryチームは主に、試料に含まれる元素の濃度や鉱物を決定するための分析を行っています。「なんだか科学者っぽい」、「日々分析装置の前に座ってコンピュータをいじっているんだな」と思ったみなさん、我々Geochemistの毎日は全く違います。

今回Geochemistに課された重要かつ主要な仕事は粉末作成にあり。コアの非破壊分析が終わり粉末作成のGOサインがでたものは、“ジオケミボックス”に入れられます。私は毎日そのボックスを見に行き、試料を回収してはハンマーで粉砕し、メノウ乳鉢でふわふわのパウダー状になるまですり続ける日々…今日でやっと200試料です。私の実験パートナーはメキシコ国立自治大学のLigiaなのですが、最近ではまさにあうんの呼吸。いかに効率的に粉末を仕上げるか、これにただならぬ情熱を燃やすようになってきました。だけど粉末作成に時間がかかり、データの提示や解釈がちょっと遅れ気味…?

co-chiefの誕生日のため、メンバー全員で行われた飲み会でも、「ジオケミチームは結果が出てないぞー!明日までに提出すること!」とビールジョッキ片手に言われどきっとするLigiaと私。活動拠点もコアの記載などを行うMARUMの建物とは異なるため、「Geochemistryチームは全然見かけないね。さては街に繰り出していただろう?」とちゃかされる日々です。

ということで、結果はもう少しお待ちください。でもGeochemistryチームは手にマメ作りながら頑張ってます。

 

夜遅くまで粉末を作り続けるLigiaのけなげな後ろ姿

夜遅くまで粉末を作り続けるLigiaのけなげな後ろ姿。
Honamiはどうも発音しづらいらしく、5回に1回は“Tsunami”と呼ばれています。

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レポート5 後半戦に突入(どこまでも続く花崗岩)

富岡 尚敬
(海洋研究開発機構 主任技術研究員)

高知コア研究所の富岡です。軽いタッチのレポートは山口さんにおまかせですので、再びまじめ路線に戻ります。OSPも今週はじめに折り返し地点を越えました。今回のExp.364で掘削した300本ほどのコアの記載は2/3まで進み、これからラストスパートに入ります。基盤岩に突入してからは、花崗岩のコアがどこまでも続き、苦行の様相です。記載中にgraniteという言葉を何百回発したか分かりません。コアの肉眼記載(Visual Core Description)メンバーにも、そろそろ疲れの色が見え始めてきました。しかし、ときどき興味深い、そして重要なコアが登場して、ハッと目を覚まさせられます。

朝シフトのVCDでは、オーストリアから来たルドヴィックが私の相棒です。彼とはブレーメンで初対面かと思っていたのですが、実は8年も前に神戸で出会っていました。

前々任地で国際サマースクールを主催した際に、招待した大学院生の一人がルドヴィックだったのでした。といっても、今では岩石の顕微鏡・肉眼記載は彼の方がはるかに経験豊富なので、彼にいろいろ教わりながら、楽しく作業を進めています。私はできるだけフレッシュな岩脈が試料として欲しいのですが、お目当ての箇所を希望すると「君はいつも変質した脈を選ぶよなあ」と、冗談好きの彼に頻繁にちゃかされます。

さて、ドイツと言えばビールです。世界のビールを飲むのが好きで、これまで250以上の銘柄を飲んできました。でも、恥ずかしながら、ドイツビールのBeck’sがブレーメンのメーカーであることを、こちらに来て初めて知りました。IODPフリークにはおなじみのトリビアですが、インド洋にあるカールスバーグ海嶺の名前は、デンマークのあのビールメーカーが、かつて海底探査航海の資金援助をしたのが由来だそうです。海の研究とビールは切っても切り離せません。今晩はメンバー全員で飲み会になりました。さあ、どちらを飲もうか。

VCD中のコア番号を示した札。誰が描いたかR2セクションの札には、、、R2-D2?!

VCD中のコア番号を示した札。最初の数字がコア番号、ハイフンの後には分割したコアのセクション番号がR1、R2、、、と続きます。誰が描いたかR2セクションの札には、、、深度が大きくなるにつれR2-D2の絵がレベルアップ?!

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レポート4 グラニット、ときどきドレライト

山口 耕生
(東邦大学 准教授)

全国1億2千7百万人のIODPファンの皆様、お待たせ致しました。山口がブログの更新をします。あっ、という間に2回目です。

コア試料の処理は非常に順調で、予定を上回るペースで進んでいます。相変わらず花崗岩を中心に処理しています。IODPは海洋掘削なのに、大陸地殻を扱っているのが妙です。そんな中、皆の興味が集中している(ので後回しにしていた)PETMとK-Pg境界付近の試料をどう分配するかに関して、議論が始まりました。一種の争奪戦ですが、責任が伴うので大変です。

この原稿を書いた10/3(月)は、ドイツの休日でした。ドイツ統一記念日のようなものらしいです。1989年のベルリンの壁崩壊は、ちょうど平成元年でもあったわけですが、もう遠い昔のことのようです。

日常の些細なトピックを丁寧に拾い上げて書くことにしていますが、今回はこれです。

〜サンプリングルームのレジェンド達〜

昔、「料理の鉄人」という番組がありました(主宰の鹿賀さんが大好きでした)。ご存知でしょうか? これまた大好きだった「風雲たけし城」と同様に、アメリカでも放映されていましたので、留学中によく見ました。こんな話しはどうでもいいですね。

スタジオの背景には、アイアンシェフ達の肖像画がありましたが、ここMARUMのIODP用の実験室にも、そんな感じの演出があります。まずは写真をご覧下さい。

左から案内します。まずは東大AORIの横山さん。コアを手にした、にこやかな笑顔が素敵です。次は、隣のパネルの茨城大の安藤さん。8月末にIGC@Capetownでお会いしたばかりです。ずっと右に行くと、横山さんと同じ東大AORI(に移ったばかり)の黒田さん。出身研究室の後輩なのでいつも黒田君と呼んでいますが、今回ばかりは「さん」で呼びます。1回だけです。その右のパネルが、秋田大の山崎さんです。

いつも彼らに見つめられながら、仕事をしています。疲れた時にふと上を見上げると、彼らが優しく微笑んでいます。それに、大いに癒されています。若干、誇張していますが。

ではまた次回。

鉄人たちの肖像

鉄人たちの肖像。左から2枚目の左が横山さん(東大AORI)、3枚目の写真の左が安藤先生(茨城大)、右端の写真の真ん中が山崎さん(秋田大)、その隣の写真の後列左が黒田さん(東大AORI)。自分は、鉄(同位体)の地球化学も専門なので、ある意味、鉄人(てつんちゅ)ですが。

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レポート3 とうとう大陸地殻に突入!!

山口 耕生
(東邦大学 准教授)

全国1億2千7百万人のIODPファンの皆様、大変長らくお待たせ致しました。ブログの更新です。担当は、東邦大学の山口、OSP初参加です。

思い返せばバブル期のほぼ末期の1993年、IODPの総本山のような研究室に修士の学生として入って以来、航海に参加することを長らく熱望して参りましたが、以来約四半世紀、やっと夢が叶い(航海ではありませんが)、今この地にいます。

早番になったので朝7時半から仕事をしていますが、本当に毎日があっという間に過ぎて行く感じです。あっ、この瞬間にも1日過ぎました。そして、その瞬間に、Impact Breccia / Melt のセクションから基盤のバキバキ花崗岩のセクションに入りました。もう、とにかく、凄いです。以上がコア処理の進捗です。短くてすみません。

このブログ、初回はK/Pg境界の専門家の東北大の後藤さん、次は理性の塊のような高知コアセンタの富岡さん、が担当してきました。彼ら二人が築き上げた真面目路線に乗ることは実力的に無理なので、日常の些細なトピックを丁寧に拾い上げて書くことにします。タイトルと全く関係ないネタで恐縮です。

〜Sedimentologistとして参加の東北大の後藤さんの話〜

一連のコアフローでは、半割されたばかりのコアは、写真撮影や種々の物性の測定をした後で、記載をするVCD(Visual Core Description)の部屋に台車に乗ってゴロゴロと運ばれてきます。コアの記載が終わって、次のコアがやってくる迄の間は、待機時間です。ラップトップを開いて仕事等するわけですが、背後にあるプリンターに神経を尖らせています。と言うのも、プリンタが動き始めて数秒後に、コアが運ばれて来るからです。なので、後藤さんはプリンタの音に非常に敏感になっているわけです。毎回ピクッとしています。以下の写真をご覧下さい。

OSPが終わって帰国したら、どなたか、後藤さんにプリンタの用紙排出音の目覚まし時計をプレゼントしてあげて下さい。きっと、ブレーメンでのいい思い出が毎朝蘇ることになり、おまけに緊張感も蘇り、確実に目が覚め、大喜びされること請け合いです。

ではまた次回をお楽しみに。

基盤岩の花崗岩コアを、これまでにないくらいに超真剣に観察する後藤さん。 背後には、束の間の休息の終わりを告げる、冷酷無比なプリンター。

基盤岩の花崗岩コアを、これまでにないくらいに超真剣に観察する後藤さん。背後には、束の間の休息の終わりを告げる、冷酷無比なプリンター。

 

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レポート2 いよいよ恐竜絶滅の時代へ

富岡 尚敬
(海洋研究開発機構 主任技術研究員)

第2回目はJAMSTEC高知コア研究所の富岡がおおくりします。今回の掘削航海は「ジョイデス・レゾリューション」や「ちきゅう」よりはるかに小さい、「Mission Specific Platform」という掘削船で行われたため、乗船することができたサイエンスチームメンバーは、総勢40数名のうち約1/3ほどに限られます。残りのメンバーは、現在進行中のオンショアサイエンスパーティー(OSP)からの参加です。

メンバーは早朝から半日、昼前から半日の2シフトに別れ、コア試料の初期記載とサンプリングに携わります。私は山口さん(東邦大)と共に朝シフトの担当です。夜遅くまで働く後藤さん(東北大)、佐藤さん(JAMSTEC)とは対照的に(本当にお疲れさま)、早寝早起きの快適な生活リズムで作業を行っています。もちろん、一仕事おわった後は、外も明るいうちからドイツビールの日々です。

私は「衝撃岩石学者」としてOSPに参加しています。これまでは、電子顕微鏡による隕石の衝撃変成の研究をしてきました。2年ほど前に高知コア研究所に赴任し、海底掘削研究にどう関わっていこうかと思案していたところ、ちょうどタイミングよくExp. 364の募集がありました。「これしかない!」とすぐに応募をしたのですが、運良くメンバーに採用となりました。OSPでは、インパクタイト(衝撃変成でできた角礫岩や溶融岩)や花崗岩質の基盤岩の記載という、クレーター形成プロセスに関わる重要な基礎データをまとめる仕事を担当します。

本格的に記載作業が始まる前に、衝撃組織をどう分類するかの話し合いが持たれました。長年用いられてきた分類法を用いるか、解釈を含まない組織に忠実な分類法をとるかで、長時間意見が交わされました。その激しいやり取りには圧倒されるばかりでしたが、ひとたび話がまとまれば、すぐに和気あいあいとした笑いの絶えないつきあいに戻ります。OSPも2週目に入り、浅いところから順に進めてきたコアの記載も隕石衝突のあった6600万年前のK-Pg境界を突破し、インパクタイトの層準に到達しました。見事な衝撃角礫岩を含むコアが、次々と半割されてラボに運ばれてきて、メンバーの熱気も上昇中です。

 

CTスキャンしたコアを一望できるモニター。手前においた実物のコアと見比べながら、記載を進めていきます(ソフトウェアはWeatherford Labs (Houston, TX) とEnthought, Inc. (Austin, TX)の提供)。

CTスキャンしたコアを一望できるモニター。手前においた実物のコアと見比べながら、記載を進めていきます(ソフトウェアはWeatherford Labs (Houston, TX) とEnthought, Inc. (Austin, TX)の提供)。

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レポート1 Exp. 364のオンショアサイエンスパーティが始まりました

後藤 和久
(東北大学 准教授)

東北大学の後藤です。ブレーメンからの初回の報告です。

9月21日から、Exp. 364のオンショアサイエンスパーティが始まりました。Exp. 364はメキシコ・ユカタン半島沖での航海で、白亜紀末の天体衝突で形成されたChicxulubクレーター内部を掘削しました。この衝突は、恐竜を含む当時の生物が大量絶滅する引き金になったと考えられており、今回の航海はクレーターの規模や形状と、地球環境や生物に及ぼした影響やその後の回復過程を解明することを主目的としています。直径180kmもある巨大クレーターの中で、ピークリングと呼ばれる特有の構造が見えている場所が掘削地点に選ばれました。

掘削は今年の春に完了しており、約800m分のコアが得られています。掘削されたコアはブレーメン大学のMARUM (ブレーメン大学海洋環境科学センター)に運ばれており、今回の滞在中にコアを記載し、基礎的な分析やサンプリングを行う予定です。

研究チームには、日本以外にイギリス、フランス、アメリカ、ベルギー、オーストラリア、ドイツ、オーストリア、中国、カナダ、メキシコ、オランダから、総勢45名もの研究者や関係者が参加しています。日本からは私のほかに、JAMSTECの佐藤さんと富岡さん、東邦大学の山口さんが参加しています。

初日と2日目は滞在中の作業内容や設備の説明を受けました。また、他の研究者がどのような研究に興味を持っており、どの試料が必要かなどの情報交換を行いました。大学院生も多くいろいろな専門分野の研究者がいて、和やかな雰囲気で意見交換を行うことができました。2日目の午後からはさっそく作業が始まり、最初の数メートル分のコアが半分にカットされました。私はコアの記載が担当でさっそく仕事が始まり、不慣れながらも最初のコアの記載を終えることができました。

記載が終わったコアは、半分は保管庫に保存し、もう半分は滞在中の各種分析や研究者への配布用にカットされます。私が興味を持っている衝突堆積物に対面するのはしばらく先になりそうですが、とても楽しみにしています。

 

Exp. 364の掘削コアの保管庫にて。

Exp. 364の掘削コアの保管庫にて。

1本目!小さな試料ですが最初の一歩です。

1本目!小さな試料ですが最初の一歩です。

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報告書類

  • プレクルーズトレーニング
    開催期間:2016年9月14日~15日
    開催場所:高知コアセンター
    開催報告:PDF
  • オンショアサイエンスパーティ(OSP)
    開催期間:2016年9月21日~10月15日
    開催報告:PDF

お問い合わせ

J-DESCサポート
海洋研究開発機構 横浜研究所内
E-mail: infoの後に@j-desc.org
Tel: 045-778-5703

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